演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における高度、中等度催吐性がん化学療法に対する新規制吐薬の効果と評価

演題番号 : P71-4

[筆頭演者]
応治 比呂美:1 
[共同演者]
榎本 美幸:1、坂本 千代子:1、金丸 絵理:1

1:PL病院 薬剤部

 

【目的】癌化学療法時に発現する悪心・嘔吐(CINV)は患者にとって大きな苦痛を伴う副作用の一つであり、これらを制御することは治療の成否に関わる重要な事項である。近年新たな制吐薬パロノセトロン、アプレピタントが承認され、また「制吐薬適正使用ガイドライン」に準じた制吐療法が実施されるに従い、その制御状況は改善傾向にあると考えられている。今回、我々は新たに高度/中等度催吐性リスク癌化学療法を施行する患者を対象に、CINV発現状況と新規制吐薬を含む支持療法の制吐効果について検討を行った。また、その際アンケートに使用した日本語版MAT 質問票および悪心・嘔吐リスク調査票の評価ツールとしての信頼性および妥当性についても検討を行った。【方法】2010年12月から2013年3月の間に新規制吐薬(パロノセトロンまたはアプレピタント)を含む高度(HEC)レジメンまたは中等度(MEC)レジメンを新たに開始した患者33名を対象に、日本語版MATおよび悪心・嘔吐リスク調査票を用いてCINVの評価を実施した。アンケートの趣旨を説明し同意が得られた同一患者でMATは2回、悪心・嘔吐調査票は1回行った。【結果】HECではパロノセトロン+Dex 16例(55.2%)、アプレピタント+グラニセトロン+Dex 9例(31%)、アザセトロン+Dex 3例(10.3%)、アプレピタント+Dex 1例(3.4%)であり、嘔吐完全制御率(CC;嘔吐+悪心なしの割合)および嘔吐完全抑制率(CR;嘔吐なしの割合)は急性/遅発期の悪心・嘔吐共にパロノセトロンを含む制吐療法において第一世代の5HT3受容体拮抗薬に比べて有意に抑制していた。また、アプレピタントを含む療法では嘔吐に対しては急性/遅発期共に制御していたが、遅発期における悪心に対する制御率は低かった。一方、悪心・嘔吐の患者関連因子とされる年齢、性別、飲酒については、50歳以上においてCC、CR共に優れており、性別に関しては女性において第二世代の5HT3受容体拮抗薬は第一世代よりもCC、CR共に優れていた。【考察】高度/中等度催吐性リスク癌化学療法に対し、制吐薬適正使用ガイドラインに基づいた新規制吐薬を用いることで、急性期/遅発期のCINVに対し優れた制吐効果が期待できる。また、日本語版MATおよび悪心・嘔吐リスク調査票は簡便に利用できる評価ツールであることがわかった。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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