演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

経口抗癌剤による化学療法に伴う悪心・嘔吐に対する六君子湯の効果

演題番号 : P71-1

[筆頭演者]
西村 元一:1 
[共同演者]
大畠 慶直:1、西島 弘二:1、二上 文夫:1、中村 隆:1、小川 恵子:2

1:金沢赤十字病院、2:金沢大学

 

(目的)注射によるがん化学療法時の制吐療法はステロイド、5HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬が中心となり、過去と比較すると格段の進歩を遂げている。しかしながら経口剤中心の場合にも悪心・食欲不振などの消化器症状を来たし、時には十分な治療を断念せざるを得ない場合もあるが、適応の問題もあり、制吐療法はほとんど行えないのが現状である。食欲中枢の活性化と食欲抑制中枢の沈静化に関与し摂食に関与するグレリンはCDDPなどによる悪心・嘔吐に有効であるとされている。一方、陳皮など8種の生薬からなる六君子湯は胃排出能促進作用、胃粘膜血流増加作用、胃粘膜保護作用、消化管運動機能の改善作用などを有すとされ慢性胃炎や機能性ディスペプシア(functional dyspepsia)に対する有効性が示されている。そこで今回主に経口抗癌剤による消化器症状に対する六君子湯の使用経験について報告する。(対象・方法)方法1、経口抗癌剤を服用しCTCAE grade1、2程度の嘔気・食欲不振を呈した患者に対して六君子湯7.5g/日を投与して効果を検討する。方法2、経口抗癌剤投与患者に対し治療開始時より六君子湯を投与し、胃腸症状の予防効果について検討する。(結果)(方法1)(症例)60代、男性。直腸癌術後(Stage2)に対して半年間のUFT/LVによる術後補助化学療法を施行。4コース目中頃より食欲不振が著明となり、休薬し外来にて補液を行う。1段階減量し5コース目を施行するも同様に輸液が必要な状況となる。治療中止を提案するも、治療継続の希望が有り6コース目より六君子湯を併用したところ治療の継続が可能であった。同様に胃腸症状が著明であった12例に対して六君子湯を投与し、7例に何らかの効果を認めた。(方法2)S-1、Capecitabine、UFT/LVによる化学療法を施行する患者に対して治療開始時より予防的に六君子湯(7.5g/日)を投与し、その有効性について検討中である。(まとめ)六君子湯は経口抗癌剤による胃腸症状に対しても有用であり、今後は特にどのような症例に対して、いつから投与するのが効率的であるかを検討する必要がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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