演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Marginally resectable食道癌に対するinduction chemotherapyとしてのDCF療法の検討

演題番号 : P7-12

[筆頭演者]
小柳 和夫:1 
[共同演者]
田中 求:1、壁島 康郎:1、市東 昌也:1、相浦 浩一:1、掛札 敏裕:1

1:川崎市立川崎病院 外科

 

【目的】Marginally resectable食道癌に対する推奨療法は明らかではない.われわれは,いわゆるT3.5あるいはN4食道癌に対してinduction chemotherapyとしてDCF療法を試験的に導入した.今回,その結果に関してretrospectiveに検討した.【患者と方法】2011年6月から2013年3月までに治療前T3.5(n=7)あるいはN4(n=2)と診断した計9例(男性8例:女性1例.年齢51-69歳;中央値58歳)に初回治療としてDCFを施行した.レジメンはdocetaxel 30mg/m2,day1,8;cisplatin 20mg/m2,day1-4;5FU 800mg/m2,day1-5とし,2コース投与とした.効果判定はRECIST1.1に,有害事象はCTCAE v4.0にそれぞれ準拠した.病理組織学的効果判定は食道癌取扱い規約第10版に従い検討した.【結果】主占居部位はCe/Ut/Mt/Ltが各4/1/3/1例で,病型はcType 1/2/3が各3/4/2例であった.内視鏡生検病理の組織型はすべてSCCであった.cT3.5の対象臓器はすべて気管・気管支であり,他の2例はcT3と診断した.リンパ節転移は0/1/2/3/4が各1/1/4/1/2例であった.cT3.5をcT3に分類した進行度はcStage II/III/IVaが各1/6/2例であった. 6例でDCF 2コースを完遂した.2例が有害事象,1例が腫瘍進行のために1コースのみで終了した.効果判定はPR 5例,SD 1例,PD 3例でCRは認めなった.Grade 4の有害事象は好中球減少症を1例に認めGCSFを使用した.Grade 3は下痢6例,口内炎2例,嘔気,嘔吐,ヘモグロビン低下各1例で,Grade 3以上の有害事象は計8例(89%)に認められた.7例に手術を,PDのためT4に進行した2例に化学放射線療法(CRT)を二次治療として施行した.術式は開胸開腹食道切除術,3領域郭清が5例,咽喉食摘が2例であった.手術合併症は肺炎と後出血を各1例に認めたが在院死亡はなかった.病理組織学的効果判定はGrade 1a/1b/2がそれぞれ3/1/3例であった.1例(14%)でRM1であったが,他の6例はR0手術と判断した.pStage I/II/III/IVaが各1/2/2/2例で3例(33%)にdown-stagingを認めた.pStage IVaの2例はいずれもN4症例で術後追加治療としてDCFを施行した.3例に再発(局所1例,リンパ節2例,甲状腺1例,胸膜1例(重複あり))を認め,治療拒否の1例を除き2例にCRTを施行した.死亡は2例でいずれも再発後の原病死であった.【結語】Marginally resectable食道癌に対するDCFは安全に施行可能で周術期管理に影響しないと考えられた.奏効割合が高く癌遺残の可能性を低下させることが期待された.

キーワード

臓器別:食道

手法別:化学療法

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