演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌に対するDCF療法による血液毒性

演題番号 : P7-10

[筆頭演者]
中原 裕次郎:1 
[共同演者]
山崎 誠:1、宮田 博志:1、宮崎 安弘:1、高橋 剛:1、黒川 幸典:1、中島 清一:1、瀧口 修司:1、森 正樹:1、土岐 祐一郎:1

1:大阪大学 大学院 消化器外科学

 

【はじめに】進行食道癌の治療成績の向上は外科的切除だけでは限界があり、化学療法をはじめとした集学的治療の重要性が増してきている。近年では5FU、シスプラチン(FP療法)にDocetaxelを加えたDCF療法が有用との報告が散見され、食道癌治療戦略の中心をなす治療の一つとして期待されている。一方で、DCF療法は毒性が強く、特に血液毒性が大きな問題となっている。そこで今回当科で経験したDCF療法の治療成績、特に血液毒性に着目して標準治療としてのDCF療法の可能性を検討した。
【対象と方法】2009年10月から2013年1月の間に当科にて食道癌に対してDCF療法(5-FU:700mg/m2 day1-5、CDDP:70mg/m2 day1、Docetaxel:70mg/m2 day1)を施行した142例を対象とし、1コース目投与時の血液毒性について検討した。
【結果】対象全体の年齢中央値は67歳(38-83歳)、男/女=126/16例であった。142例中140例が初発食道癌で、治療開始時の進行度はcStage(UICC7th)ではI/II/III/IV=8/11/69/52例であった。残り2例は根治術後のリンパ節再発、化学放射線療法後のリンパ節再発が1例ずつであった。血液毒性の頻度は、grade3以上の白血球減少/好中球減少は117例(82.4%)/127例(89.4%)、そのうちgrade4の白血球減少/好中球減少は32例(22.5%)/81例(57%)に認めた。grade3以上の貧血は9例(6.3%)、grade3以上の血小板減少は4例(2.8%)に認めた。一方、FNは45例(31.7%)と高率に認めたが、死亡症例は認めなかった。
血液毒性を発症する日数を検討した。grade4の好中球減少を起こした日の中央値はday8(6-10)、FNを発症した日の中央値はday9(7-11)であった。各血球が最低値となる日数も検討した。好中球の最低値の日の中央値はday9(7-14)、単球の最低値の日の中央値はday7(3-9)、リンパ球の最低値の日の中央値はday9(2-14)であり、単球が最も早期に減少した。単球の最低値とgrade4の好中球減少の有無には相関性があり(p<0.0001)、grade4の好中球減少をおこした群の単球の最低値の平均は31.0、grade4の好中球減少をおこさなかった群の単球の最低値の平均は61.2という結果であった。
【結語】食道癌に対するDCF療法は極めて高率にgrade4の好中球減少をきたすことが示された。また、3割の症例にFNを発症しており、標準治療としての安全性についてはさらに検討していく必要があると思われた。また、単球値はgrade4の好中球減少の発症の早期診断マーカーとなりうる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:化学療法

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