演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

化学療法における半夏瀉心湯による口内炎の抑制の検討

演題番号 : P7-6

[筆頭演者]
高橋 雅一:1 
[共同演者]
中島 政信:1、里村 仁志:1、室井 大人:1、山口 悟:1、佐々木 欣郎:1、博多 研文:2、土肥 豊:2、今井 裕:2、加藤 広行:1

1:獨協医科大 第一外科、2:獨協医科大 口腔外科

 

【目的】近年、半夏瀉心湯の分子機構が研究されており、半夏瀉心湯によりリポ多糖類誘導性プロスタグランジンE2生成が抑制され、インターロイキン(IL)-6、IL-8生成を減少させることや、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1、COX-2の活性が低下すること、半夏瀉心湯により細胞質ホスホリパーゼA2発現とリポ多糖類誘発性COX-2発現が減少することなど、炎症の抑制に有用であることが報告されている。化学療法時の副作用の一つである口内炎は軽症、重症に関わらず患者に苦痛をもたらし、摂食障害はもとより睡眠障害、栄養不良などQOLに多大な影響を与える。化学療法の副作用対策として半夏瀉心湯は用いられているが、内服することでの口内炎予防の可否についての臨床的な知見は未だ得られていない。我々は半夏瀉心湯による食道癌化学療法時における口内炎の予防について検討を行った。【方法】食道癌患者において初回化学療法(DCF療法、D;Docetaxel、C:Cisplatin、 F:5-Fluorouracil)もしくはDCF併用化学放射線療法を行う患者を対象とし、無作為に半夏瀉心湯内服群(以下A群)と非内服群(以下B群)とに分けてプロスペクティブに検討を行った。A群は1日3回の内服を化学療法2コースの期間(8週間)中継続して行い、B群は化学療法2コースの期間中は半夏瀉心湯の内服を行わないこととした。全例で化学療法施行前から施行後まで定期的に口腔外科医師による診察を行い口腔内の評価をおこなった。また疼痛の評価にはVisual Analogue Scale(VAS)を用いて併せて行った。【結果】これまでに10例がエントリーされ、A群が5例、B群が5例割り付けられた。A群のうち1例で自己判断により内服を中止しており、A群は4例、B群は5例で合計9例での検討となった。平均年齢は65.6歳、性別は全例男性であった。食道癌の占拠部位はCeが1例、Utが3例、Mtが1例、Ltが4例で、進行度はcStageIIが3例、cStageIIIが3例、cStageIVaが2例、cStageIVbが1例であった。A群においては口内炎の発生はなく、B群においては5例中1例(20%)で口内炎(Grade2)の発生を認めた。VASによる評価では両群間に有意差を認めなかった。また食欲不振、嘔気や嘔吐、下痢、便秘などの症状においても有意な差を認めなかった。【結論】現在のところ内服群では口内炎の発症を認めておらず、口内炎の発生を抑制できる可能性が見いだされた。今後のさらなる症例の蓄積を得て検討を重ねたい。

キーワード

臓器別:食道

手法別:化学療法

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