演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行再発大腸癌化学療法の至適な治療中止時期の検討

演題番号 : P68-12

[筆頭演者]
白石 好:1 
[共同演者]
千装 真由美:2、露木 直子:2

1:静岡赤十字病院 外科、2:静岡赤十字病院 看護部

 

【目的】進行再発大腸癌の化学療法は効果として生命予後の向上に寄与したもの治癒にまで至らない症例が多い。できる限り治療を継続することが生命予後を延長するという概念の下に治療が行われているが、QOLを考慮すると妥当な時期に中止をすべきとの見解もある。治療継続によって最期まで有害事象に苦しんだり、人生の終末に有意義な時間が過ごせなかったりするケースも多く、化学療法を中止する時期が問題となる。今回、当院で大腸癌治療後に亡くなった患者の治療中止時期について検討し、治療中止の妥当な時期について考察した。【方法】観察期間は平成20年1月から平成24年12月、外来化学療法室の緩和ケアチームが介入して亡くなった癌患者97人のうち大腸癌患者31人を対象とした。治療中止の時期はカルテ記載にて集計した。治療開始からの生存期間(全生存期間)、治療中止後の生存期間(中止後生存期間)、介護保険取得、在宅移行、死亡場所などについて、中止後生存期間の中央値で区切り、中央値以上をA群、未満をB群に分けて検討した。検定はMann-Whitney U検定で行なった。【結果】全生存期間中央値744日、中止後生存期間中央値114日であった。中止後生存期間115日以上A群15人、115日未満B群16人との検討では、全生存期間A群744日、B群673.5日(n.s.)、中止後生存期間A群200日、B群46.5日(p<0.0001)、全生存期間における中止後生存期間の比率A群28.5%、B群8.0%(p=0.0005)、年齢(平均):A群71.9歳、B群64.4歳(p=0.08)、性差(男性率)A群60%、B群56.3%(n.s.)、介護保険取得A群13人、B群7人(p=0.013)、在宅移行A群10人、B群5人(p=0.049)、死亡場所(在宅死)A群5人、B群1人(p=0.057)、緩和ケアチーム介入期間A群261日、B群110日(p=0.048)であった。【考察】AB群の比較では、全生存期間に有意差を認めず、中止後生存期間の比率に有意差を認めたことから、有害事象などによるQOL低下を考慮すると妥当な時期に治療中止するべきであると思われた。チーム介入期間、介護保険、在宅移行についてはA群が有意に多く、さらに高齢者に多い傾向であった。個人の人生観を尊重したエンドオブライフケアの視点からQOLを考慮すると、癌治療中止以後の過ごし方が重要ではないかと考えられる。亡くなる直前までの化学療法が延命に寄与しないという結果からも、適正な効果判定とPSを損なわないタイミングで中止することが望ましいと思われた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:QOL

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