演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

地域における超高齢者に対する消化管癌治療の実態と対策

演題番号 : P68-9

[筆頭演者]
末廣 剛敏:1 
[共同演者]
濱津 隆之:2、市来 嘉伸:3、本田 雅之:1、矢田 親一朗:4、山口 敢:4、小池 真生子:5、杉町 圭蔵:2

1:遠賀中間医師会おんが病院 救急総合診療科、2:遠賀中間医師会おんが病院 外科、3:遠賀中間医師会おんが病院 呼吸器外科、4:遠賀中間医師会おんが病院 消化器科、5:遠賀中間医師会おんが病院 放射線科

 

【はじめに】わが国において高齢化が進むにつれ高齢の担癌患者も急増している。また、独居や高齢夫婦住居が増加し在宅での継続治療が困難となる患者も多い。当院は人口14万人の郡部医師会急性期病院で周囲に高齢者施設が散在しており高齢者の受診が大半である。地域における85歳以上の超高齢者に対する消化管癌治療の実態と対策について検討した。【方法】当院で治療を受けた85歳以上の消化管癌患者80例を対象とした。対象を高齢者施設入所者の施設群と在宅の自宅群に分け、背景、診断、進行度、治療への積極性、治療法および予後を比較検討した。【結果】平均年齢89歳、男性39例、女性41例、食道癌3例、胃癌34例、大腸癌31例、直腸癌12例で治療は手術28例、内視鏡切除15例、姑息手術4例、化学療法5例、緩和治療28例であった。施設群40例と自宅群40例を比較したところ、施設群は自宅群に比べ進行癌が多く手術適応となる症例が少なかった。治療可能であったのは自宅群32例80%に比べ施設群11例28%と有意に少なく、緩和治療は施設群24例60%と自宅群4例10%より有意に多かった。認知症合併は施設群18例45%、自宅群7例19%と施設群に多く、認知症の有無では進行度に差はなく、治療に対する本人及び家族の積極性が低いのが治療法を左右していた。施設群の手術可能なStage I-II胃癌、大腸癌症例4例が認知症のため緩和治療を希望された。また、緩和治療28例中16例は自宅や施設では対応困難ということで入院継続となっていた。【まとめ】超高齢者の癌の治療は施設入所者と在宅者で大きく異なり、治療方針に家族の意見が大きく影響することが多い。積極的治療を行わず緩和治療となる例も少なくないが、地方においては開業医の偏在や高齢化のため担癌患者の在宅療養が困難となっているだけでなく、担癌患者を受け入れない施設も多い。当院では2013年2月より訪問看護、5月より訪問診療、訪問リハビリを開始した。急性期病院のスタッフによる在宅医療は高齢担癌患者が安心して自宅で療養できる方法の一つであり、症状に合わせて地域の開業医や訪問看護と連携することにより、家族との生活が継続されQOLの向上が図られると考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:地域連携

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