演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

後期高齢者のがん治療を支える緩和ケアの現状と課題

演題番号 : P68-8

[筆頭演者]
齋藤 義之:1 
[共同演者]
丸山 美香:2、江口 裕子:2、大滝 麻由子:3、佐々木 奈穂:3、名和 淳:4

1:新潟県立がんセ新潟病 緩和ケア科、2:同 看護部、3:同 薬剤部、4:同 地域連携・相談支援センター

 

【目的】緩和ケア科が介入した後期高齢者のがん治療施行状況を検討し,高齢者のがん治療を支える緩和ケアの現状と課題を明らかにする.【方法】2009年5月から2013年3月までの当科介入がん患者292例の内,75歳以上の後期高齢者で初診時に何らかのがん治療が施行中(予定)であった12例を対象として診療録を基に背景因子について検討した.【結果】当科介入がん患者に占める後期高齢者の割合は13.0%(38例/292例). 後期高齢者の中で初診時にがん治療が施行中(予定)であった患者の割合は31.6%(12例/38例).「年齢中央値」:79歳.「観察期間中央値」52.5日.「全身状態」PS0:0.0%(0例),PS1:16.7%(2例),PS2:58.3%(7例),PS3:8.3%(1例),PS4:16.7%(2例).「介入要因となった患者のつらさ」不安:41.7%(5例),疼痛:25.0%(3例).「初診時の診療行為」傾聴:58.3%(7例) ,医師へのアドバイス:58.3%(7例).「アドバイスの内容」使用薬剤について(疼痛): 25.0%(3例),使用薬剤について(疼痛以外):25.0%(3例).「初診時までに施行されていたがん治療」化学療法:75.0%(9例),手術療法:58.3%(7例),放射線療法:50.0%(6例),内分泌療法:16.7%(2例),免疫療法8.3%(1例).なし0.0%(0例).「初診時に施行中(予定)のがん治療」化学療法:66.7%(8例),放射線療法:41.7%(5例),内分泌療法:8.3%(1例),免疫療法:8.3%(1例).「転帰」中止100%(12例).「中止の内訳」他施設紹介:50.0%(6例),死亡退院:33.3%(4例),主科継続中:16.7%(2例).「がん治療転帰」併診中は継続:16.7%(2例), 併診中に終了:83.3%(10例).「がん治療終了の理由」全身状態勘案:70.0%(7例),有害事象出現:20.0%(2例),新規病変出現:10.0%(1例).「がん治療施行期間中央値(がん治療終了例)」8.5日.「がん治療終了から併診終了までの期間中央値(がん治療終了例)」29日.【考察】「生活の質向上」は,がん患者の年齢に関係なく医療が目指すべきものであり,「がん治療が適切に行われる,あるいは不適切ながん治療が行われないように支援する」という部分で緩和ケアが担う役割は大きい.今回の検討で「75歳以上の後期高齢者でもがん治療が緩和ケアと並行して安全に施行されている」という現状が明らかになった.「がんの診断時から主治医や担当スタッフが対応する『一次緩和ケア』の質向上と、状況に応じて専門家が対応する『二次緩和ケア』が速やかに行われる連携システムの充実を図ること」が,高齢者のがん治療を支える緩和ケアの喫緊の課題であると思われた.

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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