演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん専門病院における5年間のオピオイド投与の推移

演題番号 : P68-7

[筆頭演者]
照井 健:1 
[共同演者]
小池 和彦:2、平山 泰生:1、日下部 俊朗:1、小林 謙二:2、高橋 裕二:2、中島 久信:2、長佐古 友和:2、堀内 伊織:2、三原 大佳:1、亀嶋 秀和:3、大村 東生:3、石谷 邦彦:1

1:東札幌病院 内科、2:東札幌病院 緩和医療科、3:東札幌病院 外科

 

「背景・目的」従来、日本における医療用麻薬の消費量は欧米に比べて少なく、日本ではがん患者の疼痛コントロールが不十分でないかといわれてきた。確かにオピオイドの知識、投与方法の習熟が不十分な時期もあったが、2012年にはがん診療に携わる医師の緩和ケア研修会の修了者が3万人を超え理解が深まってきている。さらに、国内ではオキシコドンの注射薬やワンディタイプのパッチ製剤など種類や形態の充実がオピオイドの普及に貢献している。当院は緩和ケア病棟58床を有する243床のがん専門病院で入院患者の80%以上が悪性腫瘍である。年間約800人のがん患者を看取っているが、その疼痛コントロールには医師、看護師、薬剤師を含む多職種がチームで関わり、必要充分量のオピオイドが投与されている。そこで、当院におけるオピオイドの投与の推移を報告する。「対象」2008年から2012年の5年間に当院に入院した患者に対するオピオイドの処方の実際を調査した。「結果」1.合計オピオイド処方量(経口モルヒネ換算)は2008年は年間1607gであったが、2012年には3495gと2倍以上に増加した。2012年のモルヒネ、オキシコドン、フェンタニルの処方量(経口モルヒネ換算)はそれぞれ821g、1731g、942gでありオキシコドン、フェンタニルが増加している。2.年次推移をみるとモルヒネはほぼ横ばいであった。オキシコドンとフェンタニルは2011年から急激に増加した。3.オキシコドンは注射薬製剤とオキノームの増加が著しい。フェンタニルはパッチ製剤が急激に増加した。4.入院がん患者数は2009年から1日平均160人から180人に増加。年間がん死亡数は2009年からの3年間で564、736、793人と増加し当院におけるオピオイドの処方量の増加はがん患者死亡数とほぼ比例していた。5.2012年がん患者一人あたりのオピオイド投与量(経口モルヒネ換算)は平均50.5mg/日であるが、オピオイドの投与を受けているがん患者は約60%であったので実際にオピオイドの投与を受けている患者では平均84.2mg/日であった。 「考察」当院のオピオイドの処方量は従来の国内での報告と比べると同等かやや多かった。当院ではがん死亡患者数の増加とともにオピオイド処方量は増加していた。いまだ、地域差、施設差があるが、緩和医療の普及、オピオイドの種類や剤形の充実により、必要十分量のオピオイドが投与されるようになってきていると考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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