演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

在宅緩和ケア脱落症例の検討

演題番号 : P68-6

[筆頭演者]
市原 利晃:1 
[共同演者]
佐藤 浩平:1、後藤 和也:1

1:秋田往診クリニック 医局

 

[はじめに]厚生労働省は2004年7月に,自宅を癌末期の療養場所として希望しているのは約6割,看取りの場所として考えているのは約1割と報告している.当クリニックで全体の在宅死率は60%を超え,厚生労働省の報告とは開きがある.そこで,在宅療養を経験した癌末期患者のうち,在宅看取りを希望せず病院で亡くなった症例をまとめ,検討を加えた.[対象]2007年10月から2012年8月の間で,当クリニックが癌末期状態で在宅緩和ケアを担当した患者230人を対象とした.142人(61.7%)は在宅で看取りとなっており,病院看取りとなった88人(38.3%)の再入院理由をまとめた.[結果]在宅看取り症例は男性80人(56%),女性62人(44%)である.疾患は胃癌36人(25%),肺癌12人(9%),乳癌11人(8%),肝癌10人(7%),その他73人(51%)であり,病院看取り症例は男性23人(26%),女性10人(44%)で,疾患は胃癌23人(26%),肺癌10人(12%),乳癌10人(12%),膵臓癌7人(8%),その他38人(42%)だった.病院へ再入院となった理由は,家族の希望が42人(47.7%)と最も多く,本人の希望が23人(26.1%),悪性腫瘍が原因と考えられる症状増悪によるものが15人(19.3%),その他が6人(6.8%)であった.症状増悪の15人中10人がせん妄,3人が呼吸苦だった.[考察]在宅療養を経験した6割以上の癌末期患者が在宅で看取り可能であったことを加味すると,訪問看護や介護サービスなどで介護・看護負担を軽減することができていたと思われる.しかし,家族が在宅療養継続を困難と感じる理由は,家族内に他の病人が増えた等の具体的はものもあったが,ほとんどが漠然としたその後の不安であった.さらに26.1%の本人の希望についても,本人のその後の不安が大きな理由となっており,本人と家族の今後への不安については解消しきれていないようであり,在宅療養を継続する上での課題と考えられる.在宅は「より良く生きる場所.」であり、病院で扱う治療手技の多くを在宅でも施行可能となってきている.その事を含めて在宅医療を正確に理解してもらい,その上で患者・家族の不安を払拭しなければならない.地域連携の充実に加えて,より良い精神的なケアも目指す必要があると思われた.[まとめ] 在宅療養継続のためには,在宅医療に対する正確な理解と患者・家族の精神的なケアも必要と思われた.

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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