演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

S-1療法で眼症状が出現した患者のQOLの検討

演題番号 : P68-4

[筆頭演者]
花島 まり:1 
[共同演者]
山崎 弥生:1、村田 有子:1、福田 妹:1、松野 多希子:2、下田 智美:2、玉一 久美:3、長野 恵子:3、三谷 伸之:4、久我 貴之:5

1:長門総合病院 化学療法室、2:緩和ケアチーム、3:薬剤科、4:消化器内科、5:外科

 

[目的]S-1は使用頻度の高い内服抗がん剤の一つで,自覚的副作用の中に眼障害の報告がある.当院におけるS-1療法中の患者の眼障害の発現状況と生活への支障について検討する.[対象]H25年4月までにS-1を1クール以上内服した患者36例.男性25例,女性11例.平均年齢71歳(44-90),疾患:胃癌26名,胆管癌5例,大腸癌2例,肺癌1例,咽頭癌1例.投与方法は3投1休:3例,2投1休:21例,隔日投与:12例.単独療法17例,併用療法19例.投与期間の平均は15.3ヶ月だった.[方法]眼疾患の既往,S-1内服後の眼症状の出現,眼科受診有無,眼科を受診しない理由についてアンケート調査を実施した.さらに眼症状があると回答した対象者にMDASI-Jの日常生活への支障を基に作成した,日常生活の全般的活動,気持ち,仕事,対人関係,歩行,生活を楽しむの6項目についてNRSで調査を実施した.[倫理的配慮]院内倫理委員会で承認を得た.[結果]眼症状の出現は9例(25%)で,内訳は涙目7例かすみ眼2例視力低下2例目やに2例乾燥1例夜見えにくい1例だった.投与方法別の眼症状出現では,隔日投与16.7%が連日投与29.2%に比べ発生頻度が低かった.眼科受診は9例中3例がしていた.眼科治療は全例が点眼薬による治療だった.受診をしない理由については全例が「あまり気にならないからもっと症状がひどくなったら受診する」と回答した.生活への支障について眼科受診有り群の平均得点は日常生活の全般的活動5.4点,気持ち4.3点,仕事3.7点,対人関係2.7点,歩くこと4点,生活を楽しむこと4.3点だった.眼科受診無し群の平均得点は日常生活の全般的活動2.3点,気持ち2.0点,仕事0.8点,対人関係0.5点,歩くこと0.5点,生活を楽しむこと0.5点だった.[考察]がん患者は治療に起因する症状がコントロールされないと生活の質が損なわれる.S-1療法による眼障害は25%に出現したが日常生活に支障を感じているかには症状により差があった.眼症状があれば早期の眼科受診が勧められているが,患者は支障が許容範囲内なら受診していないことが分かった.患者に眼症状について情報提供を行い,眼障害増強時には早期に受診行動に結びつき治療を受けることで,QOLを低下させないように支援が必要である.[結論]S-1療法中に眼障害が25%に出現したが隔日投与では少ない傾向にあった.涙道障害が出現すると生活に支障を感じるが個人差があった.眼障害に対して情報提供を行い出現時には早期に受診行動に結び付くようにチームでの支援が必要である.

キーワード

臓器別:その他

手法別:QOL

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