演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

心理特性を踏まえたがん情報入手指向性の検討

演題番号 : P68-3

[筆頭演者]
浦久保 安輝子:1 
[共同演者]
清水 秀昭:2、増田 昌人:3、篠崎 勝則:4、篠田 雅幸:5、高田 由香:6、元雄 良治:7、北村 周子:8、宮内 正之:9、辻 晃仁:10、山崎 由美子:1、渡邊 清高:1

1:国立がん研究セ がん対策情報セ、2:栃木県立がんセ、3:琉球大医附属がんセ、4:県立広島病 臨床腫瘍科、5:愛知県がんセ、6:静岡がんセ 疾病管理セ、7:金沢医大 腫瘍内科、8:三重県がん相談支援セ、9:市立四日市病 外科、10:神戸市立医療セ 中央市民病 腫瘍内科

 

【背景と目的】一般に適切な医療情報の入手は不安の解消や治療へのコンプライアンス向上と結びつくとされるが、情報の入手指向性は患者個々で異なるため、利用者の特性に応じた提供方法の検討が求められる。本研究では、国立がん研究センターがん対策情報センターが作成したがん情報を体系的に取りまとめた冊子「患者必携 がんになったら手にとるガイド(以下、患者必携)」を情報提供ツールのモデルとし、がん患者の情報入手指向性について臨床的背景や性格特性を踏まえて検討を行い、患者個々の特性に応じた情報ニーズを明らかにする。
【方法】2011年9月より全国16施設のがん診療連携拠点病院・中核病院においてがんと診断された患者を対象に、がん情報のニーズや心理特性(Mental Adjustment for Cancer Scale,Hospital Anxiety and Depression Scale)に関する自己記入式質問紙調査を実施するとともに患者必携を配布し、1~3ヵ月後に活用状況に関する質問紙調査を実施、臨床的背景や性格特性との関連性を検討した。
【結果】現在までに調査票を回収した13施設587例について中間解析を行った。平均年齢60歳、性別は男性39% 女性61%、がん種部位は乳房35%、大腸12%、胃11%、肺8%、平均罹病期間は18ヵ月、Stageは0/I33% II23% III16% IV28%、初発89%、再発11%だった。
患者必携の有用性については8割以上の患者から前向きな評価が得られた。
情報の入手指向性は性別・年代・がん種などにより異なる傾向がみられ、[手記]などのnarrativeな情報ニーズは女性で高く(必要だと答えた人の割合:女性23%,男性10%)、[就労]の情報ニーズは若年層で高かった(40歳代以下30%,50歳以上11%)。
[心のケア]に関する情報ニーズは、MAC Scaleによる心理特性のうち、抑うつ(HH)や不安(AP)が強い女性で高かったが(HH型女性の49%,AP型女性:53%)、抑うつ(HH)が強い男性では低い傾向にあった(HH型男性:10%)。また、がん種やStageなどの臨床的背景による差異は認められなかった。
[緩和ケア]に関する情報ニーズも、抑うつ(HH)や不安(AP)が強い女性で高かったが、再発および膵臓がんの患者で高い傾向がみられるなど、臨床的背景との関連性が大きかった。
【考察と結語】がん情報の入手指向性は患者のがん種や心理特性などによって異なる傾向を示した。今後、症例を追加した上で多変量解析を行い、患者個別の多面的な背景に応じた個別化した情報提供モデルの検討を行う。

キーワード

臓器別:その他

手法別:QOL

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