演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

終末期多発性骨髄腫に対するADL向上を目指したリハビリテーションアプローチ

演題番号 : P67-9

[筆頭演者]
三浦 季余美:1 
[共同演者]
北原 エリ子:1、長岡 正範:2、高木 辰哉:3、佐々木 純:4、笹井 啓資:5、一瀬 直子:6

1:順天堂大、医学部附属順天堂医院 リハビリテーション室、2:順天堂大、院、リハビリテーション医学、3:順天堂大、医学部附属順天堂医院 整形外科、4:順天堂大、医学部附属順天堂医院 血液内科、5:順天堂大、院、放射線医学、6:順天堂大、医学部附属順天堂医院 緩和ケアセンター

 

【はじめに】骨病変進行により高い骨折リスクと動作時痛増強を認めた、終末期多発性骨髄腫の症例に対してリハビリテーション(リハ)を行った。放射線治療(RT)とともにADL向上に寄与したと考え報告する。【症例】40代女性。X年に多発性骨髄腫(Durie & Salmon IIIA期、ISS I期)と診断。X+6年、疼痛が増強・体動困難となり入院。予後は厳しいと判断され、緩和的治療が主体の方針となった。右上腕骨病的骨折と右臼蓋・下部腰椎の溶骨性変化、ほか多部位に形質細胞腫が認められ、疼痛はとくに右肩と右股関節に強く認めた。疼痛緩和目的に右臼蓋と下部腰椎へ放射線治療(RT)と骨修飾薬の使用が計画され、入院6日目リハ開始。整形外科医の指示により安静度は車椅子移乗までとなった。ADLは寝返りが可能であったが、疼痛のため臥床傾向であった。多職種チーム間で情報交換し、リハ目標を動作時痛および骨折リスクを回避したRT時の移動と車椅子移乗動作の獲得とした。RT時の移動はストレッチャーとし、移乗用ボード挿入時の寝返り動作で疼痛の増強を認めたため、ベッドシーツでの横移動を選択。患者の右上下肢を安定させ、右肩や股関節、腰椎の屈曲と衝撃が加わらないよう、シーツに張りをもたせてゆっくりと移乗した。また車椅子移乗時はベッドアップで起き上がり、右股関節および腰椎の屈曲と回旋を加えないように、仙骨を支点にゆっくりと動かして端坐位をとった。両側体幹からの介助で立ち上がり、捻れのないよう一歩ずつステップするようにした。これらの介助方法で動作時痛が軽減し、病棟に指導した。入院15日目よりRT(3GyX10回)開始。RT終了後10日目、右肩や右股関節の動作時痛は軽減し、ADLは車椅子上での洗面動作や排便時の車椅子トイレ使用が可能となり、30分程度の車椅子座位がとれるようにもなった。【考察】終末期がん症例で疼痛が強い場合、緩和的な治療のための移動やADL向上のため動作時痛・骨折リスクの回避は重要である。今回の症例においては、RT前の疼痛が強い時期にリハ介入し、動作検討を行ったことにより、ストレッチャー移動時や車椅子移乗時の疼痛軽減が図れたと思われる。【結論】終末期多発性骨髄腫の症例に対して、早期のリハ介入による動作時痛・骨折リスク回避を行い、RTの治療効果とともにADLの向上に結び付けることができた。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:リハビリテーション

前へ戻る