演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腫瘍崩壊症候群予防におけるフェブキソスタットの有効性に関する検討

演題番号 : P67-8

[筆頭演者]
宮島 律子:1 
[共同演者]
国分 秀也:1、近藤 留美子:1、東原 正明:2、厚田 幸一郎:1,3

1:北里大病 薬剤部、2:北里大医血液内科学、3:北里大薬

 

がん化学療法における腫瘍崩壊症候群(Tumor Lysis Syndrome; TLS)対策はラスブリカーゼの登場により大きく変化した。尿酸酸化酵素であるラスブリカーゼは、尿酸を水溶性物質に分解し、血清尿酸値を速やかに低下させる。しかし非常に高額であるため投与すべき症例が限られており、TLSガイドラインでは低~中リスク群へのTLS予防にはアロプリノールを用いることが推奨されている。一方フェブキソスタットは非プリン骨格を有する薬物であり、選択的かつ強力な尿酸産生阻害作用を有する。今回フェブキソスタットのTLS予防における有効性を評価すべく、レトロスペクティブに比較検討を行った。
【方法】対象患者は当院血液内科入院中で、2011年8月から2013年1月までの間に初回化学療法導入患者(再発初回含む)とした。TLSの診断はCoiffier B.らの定義を用い、Cairo M.S.らのリスク分類に従ってTLSリスクの層別化を行った。TLS発症率は尿酸降下薬の有無および尿酸降下薬の種類別にχ2独立性の検定を行い、TLSリスク毎に比較検討した。患者背景はstudent’s t-testを用いて評価した。
【結果】抽出された患者は全206例であり、未治療患者は185例であった。疾患の内訳は悪性リンパ腫71.8%、急性白血病16.5%、多発性骨髄腫9.7%であった。TLS予防には、補液(91.7%)、アロプリノール(55.3%)、フェブキソスタット(18.4%)が用いられ、ラスブリカーゼが投与された症例はなかった。TLS発症頻度は、高リスク群37例中16例(43.2%)、中リスク群56例中8例(14.3%)、低リスク群113例中9例(8.0%)であった。尿酸降下薬の有無によるTLS発症頻度は13.3% vs. 22.2%(p=0.15)であった。アロプリノール投与例とフェブキソスタット投与例におけるTLS発症頻度は9.6% vs. 26.3%(p=0.01)であり、いずれのリスク群においてもアロプリノール投与例で発生頻度が少ない傾向が示された。フェブキソスタット投与例はアロプリノール投与例に比べ、治療開始時の尿酸値が高く(p=0.04)、また追加治療を要した症例が多く見られた(p=0.01)。フェブキソスタットの平均投与量は11.6mgであった。
【考察】化学療法開始時の尿酸値がTLS予防にフェブキソスタットを選択する大きな要因となっていた。フェブキソスタット投与量は不十分であった可能性が示唆され、至適用量が確立された場合はTLS予防に有効と考えられる。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:支持療法

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