演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

巨大高分化型脂肪肉腫の1例

演題番号 : P66-13

[筆頭演者]
加藤 亮:1 
[共同演者]
岡田 一幸:1、戎井 力:1、和田 佑馬:1、牧野 俊一郎:1、武岡 奉均:1、柳沢 哲:1、岡村 修:1、福地 成晃:1、村田 幸平:1、横内 秀起:1、衣田 誠克:1

1:市立吹田市民病院  外科

 

【はじめに】脂肪肉腫は、軟部組織を発生母地とする非上皮性悪性腫瘍の一つであり、様々な部位に発生する。中でも後腹膜腔発生の脂肪肉腫は早期症状に乏しく巨大腫瘤として発見されることが多い。今回我々は、総重量5kgを超える後腹膜脂肪肉腫の1例を経験したため報告する。【症例】68歳女性。2012年11月頃より腹部膨満感を自覚されていたが放置していた。2013年3月に食欲不振を主訴に近医受診された。腹部単純CT検査で、後腹膜腫瘍を指摘され当院紹介受診となった。当院で施行された腹部造影CT検査では、左後腹膜腔を中心として各種臓器(左腎、左尿管、脾臓、膵臓、下行結腸~S状結腸)を著明に圧排している脂肪肉腫と診断した。摘出手術は腫瘍減量とQOLの改善を目指して施行した。両尿管への浸潤の可能性も考えられたため術前に両側尿管ステントを留置した。腫瘍は後腹膜腔を発生母地とし、下行結腸~S状結腸、左腎、左尿管、胃及び膵を右側へと圧排していた。術前には臓器浸潤の可能性も示唆されたが、比較的安全に癒着剥離を行うことが可能であり摘出に至った。また、小腸間膜内に多数の腫瘍を認め一部を摘出し病理へ提出した。最後に、腫瘍により圧排された各種臓器を腹膜と固定し手術終了とした。標本総重量5.2kg。病理組織は高分化型脂肪肉腫との診断であった。小腸間膜内の多数の腫瘍の中に異型細胞の介在が認められたため完全切除とはならなかったが手術は安全に行うことが出来た。術後、腹部膨満感は著明に改善し経口摂取可能となり栄養状態の改善へと至った。現在、入院にて化学療法(DXR+IFM)を施行している。【考察・結語】今回我々は、5kgを超える後腹膜巨大脂肪肉腫の1例を経験した。術前評価の中で臓器浸潤の可能性が示唆されたが、腫瘍自体は比較的容易に剥離できた。完全切除には至らなかったが、安全に施行可能であり著明なQOL改善に貢献したため手術的意義は大きいと考える。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:手術療法

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