演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

体幹部に発生した顆粒細胞腫の6例

演題番号 : P66-9

[筆頭演者]
池上 政周:1 
[共同演者]
五嶋 孝博:1、大木 孝裕:1、橋倉 一彰:1、山川 聖史:1、穂積 高弘:1、福田 由美子:2、加藤 生真:2、元井 亨:2

1:がん・感染症センター都立駒込病院 整形外科・骨軟部腫瘍科、2:がん・感染症センター都立駒込病院 病理科

 

【はじめに】顆粒細胞腫はシュワン細胞に由来するとされる稀な腫瘍であり、皮膚、口腔内および消化管に好発する。一方で筋内発生の報告は極めて稀である。術前診断にはMRIが有用とされているが、その特徴とされる所見は諸家の報告により様々である。今回われわれは体幹部の皮下組織及び筋内に発生した顆粒細胞腫の6例を経験した。その画像所見を中心に報告する。【症例】当院で2004年から2013年に切除し顆粒細胞腫と診断された6例を対象とした。病理学的に全て良性であった。平均年齢は48.2歳(38-64歳)、全例女性であった。皮下組織発生が4例、筋内発生が2例であった。腫瘍径は平均37mm(25-61mm)であった。全例で辺縁切除が行われ、全例が顕微鏡的に断端陽性であった。平均経過観察期間は17.1か月(6-36か月)であり、再発および転移をきたした症例はなかった。【画像所見】全例で術前にMRIでの評価を行った。術前診断は3例はT1強調像およびT2強調像ともに均一な筋肉と等信号の病変であった。2例はT1強調像およびT2強調像ともに中心部が低信号で辺縁部が軽度高信号の病変であった。1例はT1強調像で均一な軽度高信号、T2強調像で中心部が低信号で辺縁部が軽度高信号の病変であった。ガドリニウム造影は4例で行われ、いずれも辺縁が良く造影され、中心部では造影効果に乏しかった。画像診断はデスモイド腫瘍、悪性リンパ腫、リウマチ結節などであり、顆粒細胞腫を鑑別診断に挙げることはできなかった。【考察】顆粒細胞腫の典型的なMRI所見は、T1強調像およびT2強調像とも筋肉と比較し低~等信号の不均一な病変であり、筋内発生例では病変の辺縁にT2強調像で高信号の縁取りがみられるといわれている。われわれが渉猟しえた範囲では、四肢および体幹発生例のMRI所見の報告は、本報告を加えて17例であった。T1強調像では筋肉と等信号が10例と多く、軽度高信号が6例、低信号が1例であった。T2強調像では中心部と比較して辺縁部が高信号を示したのが9例あり、本報告以外は全て筋内発生であった。この所見は腫瘍辺縁へのリンパ球浸潤を反映しているとされ、皮下組織発生例ではみられないといわれていた。他の軟部腫瘍ではみられない特徴的な所見であり、皮下組織発生例においても術前診断に有用であると考える。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:診断

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