演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ゲノム解析の手法を用いた小児四肢発生骨肉腫患者の至適化学療法予測システムの確立

演題番号 : P66-8

[筆頭演者]
岩田 慎太郎:1 
[共同演者]
大平 美紀:2、米本 司:1、萩原 洋子:1、永瀬 浩喜:2、影山 肇:2、片山 稔:3、鴨田 博人:1、横井 左奈:2、石井 猛:1、中川原 章:2

1:千葉県がんセ整形外科、2:千葉県がんセ研究所、3:ライフテクノロジーズ

 

【背景と目的】術前化学療法奏効性は小児骨肉腫の重要な予後因子であることが知られている。実臨床においては、標準的術前化学療法の施行後に、臨床的および病理学的効果判定を行い、その結果不奏効と判定された症例に対しては化学療法が変更される。本研究の目的は、小児四肢発生骨肉腫患者における至適化学療法の治療開始前予測システムの確立のためのgenomic markerの探索である。【対象と方法】千葉県がんセンターにおいて治療を受けた小児骨肉腫患者のうち、均一な背景(初診時転移無し、四肢発生、同一化学療法プロトコールおよび局所治療として広範切除術施行)を持つ症例群30例(learning group 22例、validation group 8例)を対象とした。術前化学療法として、標準治療であるMAP療法を行いgood responderと判定された8例をA群、MAP療法に反応せずIFOに変更しgood responderと判定された6例をB群、IFOに変更するもpoor responderと判定された8例をC群とした。治療前生検で得られた腫瘍組織から抽出したDNAを用い、ゲノム解析を行った。【結果】Learning group22例の生存曲線解析の結果、C群はA,B群に対し有意に予後不良であった。Array CGHによるゲノムコピー数解析の結果、Differential analysisによりA群およびC群を選択するためのそれぞれ4個のgenomic markerが特定され、その中には既知の骨肉腫関連遺伝子が内包されていた。またこれら8個のgenomic markerを用いたscoring systemを策定し、独立したvalidation groupによる検証を行ったところ、高い精度をもって各グループに症例群を判別可能であった。さらに我々は次世代シーケンシング(Ion AmpliSeq Comprehensive Cancer Panel, Life Technologies Japan)の手法を用い、化学療法に強い抵抗性を示した症例における407癌関連遺伝子の変異検索を行っており、その結果を提示する。【結論】本研究より明らかとなったgenomic markerを治療前生検組織より解析することで、各骨肉腫患者における至適化学療法レジメンの予測が治療開始前に可能となることが示唆された。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:ゲノム・遺伝子

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