演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

整形外科領域の肉腫患者における医療用麻薬使用量についての検討

演題番号 : P66-5

[筆頭演者]
高下 智子:1 
[共同演者]
家口 尚:2、池永 昌之:3、津田 有紀:1、嶽小原 恵:1、山下 朋子:1

1:淀川キリスト教病院 薬剤部、2:淀川キリスト教病院 整形外科、3:淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院 ホスピス科

 

<目的>肉腫は、症例数が少なく、特に成人における治療中や終末期における症状緩和についての研究・報告が少ないのが現状である。今回、当院で経験した肉腫患者の医療用麻薬の使用について調査を行った。
<方法>対象は2007年1月から2013年3月に当院を死亡退院された整形外科領域の肉腫患者25例、男性13例、女性12例、平均63.8歳(32~91歳)、軟骨肉腫5例、悪性線維性組織球腫4例、血管肉腫4例、平滑筋肉腫4例、悪性末梢神経鞘腫2例、滑膜肉腫2例、骨肉腫2例、脊索腫1例、類上皮肉腫1例。肺転移22例(88.0%)、骨転移9例(36.0%)、肝転移4例(16.0%)、リンパ節転移4例(16.0%)、局所再発9例(36.0%)(肉腫群)。および2013年3月に当院を死亡退院された癌患者46例、平均69.2歳(30~91歳)(癌群)について、診療録からレトロスペクティブに医療用麻薬最終投与量について調査比較した。
<結果> 死亡時に使用したオピオイド最終投与一日量は経口モルヒネ換算で肉腫群129.6mg(0~600mg)、癌群80.9mg(0~312mg)(NS.)。また、オピオイド製剤のうちモルヒネを使用した患者は肉腫群15例(60.0%)、癌群16例(34.8%)、(p<0.05)。ケタミンを使用した患者は肉腫群6例(24.3%、50~213mg)、癌群1例(2.2%、87mg)、(p<0.01)であった。また、肉腫群で死亡までに出現した主な身体症状は、全身倦怠感25例(100%)、食欲不振25例(100%)、疼痛24例(96.0%)、呼吸困難21例(84.0%)、便秘16例(64.0%)、浮腫13例(52.0%)であった。
<考察>渉猟し得る範囲で、肉腫患者と癌患者で医療用麻薬の種類や使用量について比較検討した報告はない。当院の肉腫患者は癌患者に比べ有意にモルヒネとケタミンを使用し、また有意差は得られなかったがオピオイドの1日使用量が多い傾向にあった。整形外科領域の末期肉腫患者には肺転移が多く認められ、呼吸困難や難治性疼痛が出現する傾向にあり、それに対し癌患者の末期病態は多彩で疼痛の種類も含め相違が考えられた。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:緩和医療

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