演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん緩和ケアにおける骨転移患者へのリハビリテーションの現状と課題

演題番号 : P66-3

[筆頭演者]
大原 有郁子:1 
[共同演者]
紺田 歩優:1、江森 誠人:2、村田 憲治:2、小池 和彦:3、平山 泰生:4、照井 健:4、石谷 邦彦:4

1:医療法人東札幌病 リハビリテーション課、2:札幌医科大 整形外科、3:医療法人東札幌病 緩和ケア科、4:医療法人東札幌病 内科

 

背景・目的:がんのリハビリテーション(リハ)において骨病変のリスク管理は必須であり、チームでの目標設定が提唱される。生命予後への影響は小さいが、QOLを大きく左右する骨病変に苦慮するセラピストは多い。悪性腫瘍に係る専門病院である当院のリハを整形外科(整外)との連携を中心に振り返り、骨転移への対応に関する課題を考える。方法:2012年度当院でリハ介入したがん患者256例のうち骨腫瘍を有する92例(のべ98例;終了72例・介入中26例)を対象とし、部位や骨関連事象の有無、転帰、ADL、整外介入の有無、介入結果、患者の言動を後方視的に調査する。対象と結果:部位は脊椎(67例)や骨盤(36例)が多く、64例は多発性であった。原発巣は乳腺26例、肺24例、前立腺14例他。骨折は19例(脊椎12例)、一肢以上の完全麻痺は15例にみられた。放射線治療(RT)は38例が照射済み、整外で依頼した9例を含む24例が院内照射。14例は骨折リスクによる活動制限の時期があった。リハ介入期間の中央値は50日、終了者の67%が逝去終了であった。整外の診察を受けたのは20例で、リハに関する連携は骨病変の評価、活動制限の指示、装具の調整等。RT後骨硬化を確認しながら活動拡大したのは9例、転倒した2例と亀裂骨折1例を除き院内での骨折は予防された。リハ介入期間に一時的でもADL向上したのは整外介入群85%、未介入群31%。中には、下肢麻痺が出現したが適切な対応により回復、ADL拡大し在宅へ向けたリハ継続目的で転院した例や、骨折リスクを理解した上で自宅退院を選択し、リハ・環境調整を経て8ヶ月在宅生活を送った例もあった。記録には整外介入の有用性を示す患者の言動も残っていた。整外未介入群は、前医で評価されている例や予後が短い例、苦痛症状やADL低下のない例等であった。考察:当院のリハにおいて、病的骨折が少なかったのは整外介入による適切なリスク管理や予防的照射も含めた骨病変へのRT、リハの有用性に依ると考える。終末期患者では積極的治療の適応となる場合は少ないが、専門医との連携は適切なリハ介入と患者の安心感に繋がる。特に、緩和ケアでは個人の価値観が方針に大きく影響する。そのため、患者が納得して過ごすには専門家からの充分な情報提供が必要であり、多職種での適切な連携が欠かせない。骨転移患者でも整外の介入率が低いのが現状だが、病態やリハ目標等から整外紹介の基準を検討することが今後の課題である。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:リハビリテーション

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