演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

多職種連携によりADL向上に成功した巨大平滑筋肉腫症例

演題番号 : P66-1

[筆頭演者]
武知 浩和:1 
[共同演者]
西庄 俊彦:1、手束 文威:1、近藤 心:1、坂本 佳也:1、上田井 陽子:1、東條 幸美:1、有内 和代:1、井口 和子:1、杉原 治美:1、山田 静恵:1、福田 直也:1

1:徳島大学病院

 

 昨今各医療機関におけるチーム医療の重要性が提唱されており、その認知度は上昇していると思われる。しかしながら具体的な責任の所在があいまいになるなど運営方法については試行錯誤な部分も多く、特に我々が所属する大学病院では診療科・部門ごとの壁が予想以上に高く、横のつながりが比較的希薄になることが多く活動が停滞気味になりやすいのではないかと考えている。そのようななか治療方針も含めたマネージメントに非常に難渋していた骨盤から右大腿を占める進行巨大平滑筋肉腫に対して多職種アプローチによるチーム医療により劇的にADL向上をきたし現在転院にむけて調整中の1例を経験したので報告する。 症例は40歳代男性。昨年夏から右ソケイ部腫瘤を自覚していたが放置していた。数ヶ月前から自覚し始めた右臀部から下肢にかけての疼痛が急激に悪化したため近医を受診した。精査の結果、骨盤内に巨大腫瘍を認めたため精査加療依頼にて当院整形外科紹介となった。その後実施した切開生検にて平滑筋肉腫と確定診断を得たが、根治術不能と判断し、化学療法目的に中心静脈ポートを留置した。2週間経過時点から発熱を認めていたが、さらに1週間後には左片麻痺が出現した。精査の結果、感染性心内膜炎に起因する脳梗塞を発症していることが判明した。加療により救命に成功したものの重篤な状態は変化せず、長期間ベッド上安静を余儀なくされたため患者ADLは非常に低下しQOLもきわめて低下したといえる。意識状態改善とともに疼痛自覚も再燃した時点で緩和ケアチームへの介入依頼があり対処法を検討することになった。鎮痛を図りながら、リハビリ部門に支援を依頼してさらなる積極的リハビリをすすめた。また絶食となっていたこともQOL低下の一因となっていたため、腹部精査のうえ食事再開しNSTに協力を求めた。そして何より病棟看護師の献身的な看護もあってADLは劇的に改善した。さらに加療に平行して地域連携室スタッフに依頼したこともあって、現時点でスムーズに転院調整が進行している。 これまで当院におけるチーム医療は機能しているとは言いがたい面もあったが、本症例を通じて今後に向けての指標を発見できたように感じている。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:チーム医療

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