演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

根治的治療を受けた前立腺癌患者の終末期合併症の検討

演題番号 : P65-7

[筆頭演者]
小林 恭:1 
[共同演者]
寺田 直樹:1、山崎 俊成:1、井上 貴博:1、神波 大己:1、吉村 耕治:1、中村 京平:1、池田 格:1、井口 治男:1、溝脇 尚志:1、平岡 眞寛:1、小川 修:1

1:京都大学大学院 医学研究科

 

【背景と目的】過去の報告によれば、前立腺癌終末期患者の20-40%が治療を要する尿路合併症(血尿、下部尿路閉塞、腎後性腎不全など)を経験するとされているが、その多くは転移性前立腺癌と診断され、初期治療として内分泌療法を受けた患者のデータであり、前立腺全摘除術(RP)や体外放射線照射(EBRT)といった根治的局所療法後に不幸にも再燃・再発をきたし癌死された症例における終末期合併症については不明な点も多い。今回我々は当院でRPあるいはEBRT施行後に前立腺癌死した症例の終末期合併症、とくに尿路系の合併症について検討した。【対象と方法】1997年4月から2002年11月までに根治的局所療法を施行した前立腺癌患者240例をretrospectiveに検討した。240例中110例がRP、130例がEBRT(原体照射60-70Gy)を受けていた。臨床病期はRP群ではstage Bが64%、stage Cが36%、EBRT群ではstage Bが48%、stage Cが52%であった。観察期間の中央値10.0年(0.4-14.8年)における全生存率は83%、生化学的無再発生存率は62%であった。死亡した41例(17.1%)のうち19例(7.9%)が前立腺癌死、22例(9.2%)が他因死であった。前立腺癌死した19例の死亡前2年間における局所再発・再燃による尿路合併症を検討した。なお、放射線性膀胱炎は局所再発・再燃による尿路合併症には含めていない。 【結果】前立腺癌死した19例のうち9例(47.4%)が死亡前2年間に尿路合併症を来していた。内訳は血尿5例(56%)、尿閉6例(67%)、尿管狭窄による腎後性腎不全3例(33%)であった。尿路合併症の有無を治療法別にみると、RP症例では20%(1/5)であったのに対し、EBRT症例では57.1%(8/14)であった。【考察】根治的EBRT後に再燃・癌死に至る症例では、その終末期に局所再燃による合併症を来す確率が高い。終末期における尿路合併症は患者QOLに大きな影響を与えるため、EBRT後に再燃し終末期を迎える患者は尿路合併症の高リスク群として早期の予測に基づく適切な対処が肝要である。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:緩和医療

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