演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

集学的治療にて長期コントロールが可能であったG-CSF産生前立腺癌の1例

演題番号 : P63-4

[筆頭演者]
國島 康晴:1 
[共同演者]
佐藤 俊介:1、田端 秀敏:1、宮本 慎太郎:2、島 正樹:3、福多 史昌:5、京田 有樹:2、小谷 典之:4、鈴木 一弘:4

1:北海道社会事業協会帯広病院 泌尿器科、2:札幌医科大学 泌尿器科、3:倶知安厚生病院 泌尿器科、4:帯広泌尿器科、5:函館五稜郭病院

 

尿路原発G-CSF産生腫瘍は比較的まれで、膀胱癌、腎盂尿管癌の報告が散見されるが、その予後は極めて悪い。前立腺原発のG-CSF産生腫瘍は過去に1例のみ報告があり、やはり治療抵抗性であった。今回我々は集学的治療で長期にわたり病勢をコントロールすることが可能であったG-CSF産生前立腺癌の症例を経験したので報告する。【症例】症例は72歳男性、前立腺肥大症で投薬治療中に肉眼的血尿を認めた。膀胱鏡上前立腺中葉からの出血を認めたため、出血のコントロールと前立腺肥大症の治療目的に経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を施行した。術前のPSAは0.5ng/mlであった。病理診断は未分化癌であった。cT1bN0M0の前立腺癌として根治的前立腺摘除術を施行した。病理診断は精嚢の導管内にTUR-Pで見られたと同様な未分化癌を認めた。術後6か月目に発熱、咳嗽、全身倦怠感で内科を受診され、血液検査で白血球数57,160と高値のため白血病疑いにて精査となった。CTにて骨盤内に85x79mmの腫瘍を認め、Gaシンチではこの腫瘍のみに取り込みを認めた。血清G-CSF値433 pg/mlと異常高値であり、前立腺癌のリンパ節転移巣がG-CSF産生病巣であると判断した。転移巣の手術的切除は不可能であると判断し、骨盤内腫瘍に40Gy/20frの放射線照射を施行した。放射線照射終了後、LH-RH analogueの投与およびdocetaxel 70mg/mm2、4週毎の投与を開始した。Docetaxel 10コース施行時で腫瘍は44x32mmまで縮小し、血清G-CSF値はほぼ正常範囲となった。腫瘍の外科的切除を考慮したが、内腸骨動静脈との癒着が懸念されたため断念し、docetaxelの投与を6週毎にして継続とした。現在22コース施行し腫瘍サイズは38x25mmまで縮小し、RECISTの評価でPRである。【考察】G-CGS産生腫瘍は一般に低分化、未分化であり、治療抵抗性で予後は平均4.7ヵ月と極めて悪い。本邦での尿路悪性腫瘍の報告でも、膀胱原発のG-CSF産生腫瘍で平均5.4ヵ月、腎盂尿管癌で平均3.6ヵ月のOSと報告されている。また、その治療法は確立されておらず、ほとんどの報告ではあらゆる治療に抵抗性であった。本症例では、放射線照射、LH-RH analogue投与、docetaxel投与と前立腺癌として可能な治療を可及的に施行することにより、治療開始後30か月にわたり病勢コントロール可能であった。【結論】集学的治療によりG-CSF産生前立腺癌の症例において長期間にわたり病勢コントロールが可能であった。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:集学的治療

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