演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

骨転移を有する前立腺癌初発症例に対するゾレドロン酸併用CAB療法に関する前向き研究

演題番号 : P63-3

[筆頭演者]
上野 悟:1 
[共同演者]
溝上 敦:1、深貝 隆:2、藤本 直浩:3、大岡 均至:4、近藤 幸尋:5、新井 学:6、井出 久満:7、並木 幹夫:1

1:金沢大病、2:昭和大病、3:産業医科大病、4:神戸医療セ、5:日本大病、6:獨協医科大越谷病、7:帝京大病

 

【はじめに】ゾレドロン酸は骨転移を有する前立腺癌患者に対する支持療法として用いられているが、その投与開始時期については一定の見解が得られていない。今回我々はStage D2前立腺癌患者に対してCAB療法開始とともにゾレドロン酸(ZA;Zoledronic acid)を投与することによる再燃遅延効果とSREの発症期間延長について検討した。【対象と方法】多施設共同無作為化試験を実施した。2006年7月から2011年6月までに患者登録し、現在も追跡中である。対象患者はStageD2の未治療前立腺癌患者で、CAB療法単独群31例、ZA併用群29例が登録された。ZA併用群ではCAB療法開始とともにZA 4mgを1カ月毎に継続投与した。再燃の定義はPSA再燃とした。SREについては、病的骨折、脊髄圧迫、骨病変に対する治療以外に、骨痛の出現についても評価の対象とした。 【結果】これまでの平均観察期間はCAB単独群で27.4カ月、ZA併用群で32.1カ月であった。患者背景は両群で差はなかった。非再燃率には統計学的有意差は認められなかったが(p=0.073)、ZA併用により非再燃期間を延長させる可能性が示唆された。EODスコア2以上の患者群では有意差はなかったものの(p=0.158)、グリーソンスコア8以上の患者群では有意差が認められ(p=0.021)、いずれも50%PFSの延長が認められた。経過中に骨痛を認めた症例は、CAB群で11例、ZA併用群7例であった。各群での症状出現までの期間は11.7カ月、17.2か月であり、ZAの使用により症状出現時期を遅らせることが可能と考えられた。CAB群で病的骨折が1例、脊髄圧迫が2例認められ、外照射や外科的治療が行なわれていた。SRE発症率では統計学的有意差が認められ(p=0.019)、ZAの継続的な使用によりSRE発症までの期間が延長できる結果であった。【結語】治療開始時に高リスクで進行している症例ほど、早期のZA使用による有用性が得られる可能性があると考えられる。ZAの併用療法によりPFSが改善し、SRE出現時期を遅延する効果も期待できる可能性があり、とくに高リスク例や進行例ではCAB療法開始時よりZAを使用することを推奨する。ただし、長期間の継続使用により副作用の頻度が増加する可能性があり、今後もひき続き観察を行なっていく必要がある。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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