演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

75歳以上高齢者筋層浸潤膀胱癌の治療再考

演題番号 : P60-10

[筆頭演者]
増田 広:1 
[共同演者]
杉浦 正洋:1、芳生 旭辰:1、稲原 昌彦:1、荒木 千裕:1、小島 聡子:1、納谷 幸男:1

1:帝京大ちば総合医療セ

 

【目的】世界有数の長寿国となり,高齢化社会を迎えた我が国において, 75歳以上で初めて筋層浸潤膀胱癌に罹る患者さんを経験することが珍しくはない。筋層浸潤膀胱癌の標準的治療は根治的膀胱全摘除術であるが、非常に侵襲の大きい治療であるため、高齢者では積極的に選択されていない傾向にある。今回我々は75歳以上の高齢者筋層浸潤膀胱癌患者に対する当科での治療方法を評価し、臨床的検討を行った。【対象と方法】2009年2月より2013年4月までの間に、TURBtを施行し、75歳以上で病理学的に筋層浸潤膀胱癌,cT2≦N0M0と診断された14例を対象とし、retrospectiveに検討した。治療方法は、根治的膀胱全摘除術、化学放射線療法、放射線治療、経過観察に分類した。積極的治療(AT)を根治的膀胱全摘除術、化学放射線治療、放射線治療と定義し、積極的治療を施行した群としなかった群に分け、性別、年齢、 BMI、PS、血中アルブミ、ヘモグロビン、eGFR、生存率について統計学的解析を行った。【結果】AT群12例、非AT群2例で、85%に積極的治療が行われていた。AT群の内訳は、手術8例、放射線治療3例、化学放射線治療1例であった。それぞれの群の年齢、 BMI、PS、血中アルブミ、ヘモグロビン、eGFRにおいて統計学的有意差は認めなかった。観察期間中AT群は、3例死亡し、非AT群は、1例死亡を認めた。生存率では統計学的有意差を認めなかった(P=0.4270)。【結論】症例数が少なく、短い観察期間であったが、当院においては75歳以上の高齢者筋層浸潤膀胱癌に対して積極的治療が行われていた。高齢者は様々な合併症を有しており、本人の意欲や病状の理解、平均余命、介護者の有無などを熟慮した上で、治療方法を検討することになる。膀胱癌は進行すると、膀胱タンポナーデや貧血、痛みが出現するため、未治療であった時にはその際の対応方法に難儀することが多いと思われる。今回の当院での検討において、生存率に統計学的有意差を認めなかったが、高齢者筋層浸潤膀胱癌患者に対して、膀胱全摘除術や放射線治療を含めた積極的治療を検討してもいいのではないかと思われた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:その他

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