演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術後アロマターゼ阻害剤を投与した乳癌症例における予後の検討

演題番号 : P6-11

[筆頭演者]
山本 貢:1 
[共同演者]
細田 充主:1、中野 基一郎:1、畑中 佳奈子:2、松野 吉宏:2、山下 啓子:1

1:北海道大学病院 乳腺・内分泌外科、2:北海道大学病院 病理部

 

【背景】乳癌診療ガイドラインにおいて、閉経後ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法としてアロマターゼ阻害剤 (AI剤) は推奨グレードAであり第一選択薬として広く用いられているが、抵抗性を示して再発を来す症例が存在する。AI剤抵抗性のメカニズムについては様々な要因が指摘されているが臨床上有用な予測因子については十分に明らかになっていない。以前我々は、術後内分泌療法としてAI剤を投与した閉経後エストロゲンレセプター (ER) 陽性乳癌症例について検討し、術後AI剤投与症例における再発予測因子としてプロゲステロンレセプター (PgR) 陰性、pT3以上、リンパ節転移陽性が予後因子である可能性について報告した。さらに検討項目を追加し、その後の観察結果を加えて報告する。【対象】2001年から2011年までに当科で手術を行い術後内分泌療法としてAI剤を投与されたStage I-IIIの閉経後女性乳癌290例。両側乳癌症例は除外した。【結果】非再発群は261例で手術時平均年齢は62.8歳 (47-89歳)。再発群は29例で手術時平均年齢は60.7歳 (52-75歳)、手術から再発までの期間は平均37.0ヶ月 (5-88ヶ月) であった。年齢・Body Mass Index・ER (Allred score)・HER2 scoreは両群間で有意差を認めなかった。病理学的浸潤径・リンパ節転移個数・組織学的グレードは、再発群が有意に高かった。PgR発現量 (Allred score) については両群間で有意差を認めなかったが、PgR陰性症例は再発群で有意に多かった。Ki67 Labeling Index (LI) は再発群で有意に高かったが、14%・20%など明らかに予後の分かれるcut off値を見出すことは出来なかった。術後5年以内再発群 (n=23) ・5年以降再発群 (n=6) ・10年以上無再発群 (n=31) の比較では、5年以内再発群で10年以上無再発群に比較して浸潤径が有意に大きく、Ki67LIが高い傾向にあったが、5年以降再発群と10年以上無再発群では差がなかった。【考察】閉経後ER陽性乳癌においてPgRの発現は予後因子であることが指摘されている。我々の検討においても再発例で有意にPgR陰性例が多く、閉経後ER陽性乳癌の生物学的特性、あるいはAI剤抵抗性に関与する因子であることが示唆された。Ki67LIには明確なcut off値は見出せず、再発リスクと直線的に相関していると考えられた。浸潤径・Ki67LIは5年以内再発の予後因子である可能性が示された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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