演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

短期間術前ホルモン療法におけるバイオマーカーの変化

演題番号 : P6-9

[筆頭演者]
萩原 里香:1 
[共同演者]
高原 祥子:1、吉本 有希子:1、山内 清明:1

1:公益財団法人医学研究所 北野病院 乳腺外科

 

【はじめに】術前ホルモン療法(Neoadjuvant endocrine therapy: NAET)に関する幾つかの臨床試験が開始されているが、未だ施行期間や治療効果判定、術後補助療法のコンセンサスは得られていない。目的は腫瘍縮小と考えられるが、効果予測には開始2週後のKi-67の推移が効果および予後予測に有用という報告もみられる。今回患者の同意のもとに術前に施行した2~8週間の短期間NAETにおいてER/PgR/Ki-67の推移が効果予測因子としての有用性を検討した。【対象および方法】42-84(中央値60)歳のT1-2、cN0の女性21例。閉経前4例、閉経後17例で、全例ER高感受性/HER2陰性のLuminal タイプであった。NAET施行期間は平均4.6週で内訳として2/3/4/5/6/8週=1/7/5/1/4/3例、開始時のPgR(%)は0/<50/50≦=3/4/14例、Ki-67(%)は≦14/15-30/30≦=13/3/5例であった。また投与薬剤はTAM/ANA/LET/EXE=6/7/7/1例であり、治療効果は診断時および術前のUS上の腫瘍径で判定した。【結果】治療効果はPR/SD/PD=3/8/5例で、PR3例はいずれも4週以上のAI(LET2例、ANA1例)投与を行っていた。NAET前後のバイオマーカーはPR3例でPgRの減少を認め、PgR減少はMann-Whitney検定で腫瘍縮小率との間に有意な関連がみられた。一方Ki-67は減少傾向であったものの群間で明らかな差はみられず、ERは有意な変化はみられなかった。PD5例中3例でPgRの上昇がみられたが、Ki-67に変化はみられなかった。またSD1例ではPgRは低値を維持していたがKi-67の上昇がみられ、術後TC療法の追加を行った。【考察】短期間NAET前後でKi-67の推移に明らかな傾向はみられなかったが、PgRの減少と治療効果には有意な相関がみられた。またPD例ではPgRの上昇傾向がみられた。このことはPgRがERの下流にあり、PgRの発現はエストロゲン依存性であるため、NAETの効果はPgR減少と相関するものと考えられた。以上より短期間NAETでみられたバイオマーカーの変化が通常施行される半年以上のNAETでの効果予測に有用である可能性が考えられる。現在短期間NAETにおけるPgRの変化と6ヶ月間のNAETの効果との関連を検討中である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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