演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌腋窩リンパ節郭清後、ドセタキセル投与中の上肢浮腫に対する介入の有効性の検討

演題番号 : P6-5

[筆頭演者]
瀬野 しのぶ:1,2 
[共同演者]
川口 英俊:1,5、篠崎 恭子:1,3、山口 育子:1,3、西崎 隆:1,4、山下 清美:1,3

1:松山赤十字病院 、2:看護部、3:がん診療推進室、4:外科、5:乳腺外科

 

【背景】我々の先行研究で、乳癌腋窩リンパ節郭清(Ax)後、ドセタキセル(DTX)投与中の上肢浮腫を起こした全例に上肢の左右差を認め、本態はリンパ浮腫である事が示唆された(平成24年癌治療学会)。【目的】Ax後DTX投与に伴う上肢浮腫患者に、リンパ浮腫で行われる複合的理学療法が有効であるかを明らかにする。【対象と方法】平成23年4月~平成24年3月に当院のリンパ浮腫外来を受診した患者64例中、Ax後DTXを使用した17例。全例にリンパ浮腫に対する介入を行った。患側、健側の上肢径を測定して左右差を調査し、介入の有効性を検討した。【結果】年齢の中央値:57歳、術式は乳房温存術:13/17(76%)、乳房全摘術:4/17(23%)、全例に腋窩リンパ節廓清を行っている。郭清のレベルは、LevelI:0/17(0%)、Level I-:II16/17(94%)、LevelI -III:1/17(6%)であった。発症時期の中央値は手術から6か月で,DTX3投後:6/17(35%)、4投後:11/17(65%)であった。左右差は全例に認めた。上肢の左右差の中央値は手首:0.6⊂∩∩、肘下5⊂∩∩:1.2⊂∩∩、肘上10⊂∩∩:1.3⊂∩∩、腋窩:1.0⊂∩∩であった。進行度は、I期:13/17 (76%)、II期:4/17 (24%)であった。リンパ浮腫に対する介入の内訳は、セルフドレナージ:6/17(35%)セルフドレナージ+スリーブ:10/17(59%)セルフドレナージ+スリーブ+弾性包帯:1/17(6%)であった。外来初回受診時と受診後半年時点で上肢の差(中央値)は手首:-0.5⊂∩∩、肘下5⊂∩∩:±0⊂、肘上10⊂∩∩:-0.4⊂∩∩、腋窩:-0.5⊂∩∩と介入によりわずかなサイズダウンを認めた。進行度はI期:15/17(88%)、II期:2/17(12%)とII期からI期へ改善した患者を2名認めた。進行度が悪化した症例はいなかった。【考察】Ax後DTX投与に伴う上肢浮腫は、介入後半年時点で改善傾向だが、完全に治癒した症例は認めず、今後、上肢浮腫が辿る経過の追跡、介入群と非介入群で上肢浮腫変化の違いを観察していく必要がある。DTX投与が決定した時点から、浮腫の発症を防ぐ取り組みも重要と考えられた。【結語】Ax後DTX投与に伴う上肢浮腫に対しては、リンパ浮腫で行われる複合的理学療法がある程度有効である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:がん看護

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