演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

HER2陰性乳癌に対するFEC100 Followed by nab PTXによる術前化学療法の臨床第II相試験

演題番号 : P6-4

[筆頭演者]
宮島 慎介:1 
[共同演者]
伊藤 幸:1、引地 理浩:1、小林 尚美:1、内海 俊明:1

1:藤田保健衛生大学 乳腺外科

 

【目的】現在タキサンを含むレジメンはアンスラサイクリンとともに乳癌の化学療法において標準治療の中核を担う薬剤である。nab PTXは既存のタキサンと比べて再発乳癌の患者で優れた効果があることが示されているが、術前化学療法として使用されている報告は少ない。今回我々はHER2陰性乳癌に対するFEC100 followed by nab PTX療法による術前化学療法の臨床第II相試験を行い、術前化学療法の効果と安全性について検討した。【方法】2011年5月~2012年10月までにFEC100を4クール施行し、nab PTX 260mg/m2 を3週毎に4クール施行したStage I~IIIBのHER2陰性乳癌10症例を検討した。尚、主要評価項目を投与完遂率、副次的評価項目をpCR率、奏効率、安全性として評価した。【結果】年齢中央値は55歳(37~67歳)、閉経前5例(50%)、閉経後5例(50%)。臨床病期はStage I 1例(10%)、Stage IIA 4例(40%)、Stage IIB 3例(30%)、Stage IIIA 1例(10%)、Stage IIIB 1例(10%)で、サブタイプはLuminal A 1例(10%)、Luminal B 6例(60%)、Triple Negative 3例(30%)であった。完遂率は60%で、完遂できなかった症例はFECでPDとなった症例が1例、FECの有害事象により中止となった症例が2例、nab PTXの有害事象により中止となった症例が1例であった。臨床的効果はCR1例(10%)、PR4例(40%)、SD1例(10%)、PD1例(10%)、該当なし3例(30%)で奏効率は50%であった。組織学的治療効果はGrade0は2例(20%)、Grade1は5例(50%)、Grade2は2例(20%)で、Grade3は1例(10%)であった。有害事象については、白血球減少(G3+G4)2例(20%)、好中球減少(G3+G4)3例(30%)、悪心3例(30%)、倦怠感7例(70%)、食欲不振6例(60%)、関節痛2例(20%)、筋肉痛2例(20%)、末梢性感覚ニューロパチー(G1+G2 5例)(G3 1例)6例(60%)であった。【考察】今回の臨床試験でFECで試験が中止になったものが3例(30%)認め、完遂率は低いものとなり、結果としてnab PTX使用の完遂率を反映していない結果となったが、nab PTX単独での投与完遂率は7例中6例の86%となり、nab PTXは忍容性と安全性において投与可能と思われた。pCR率は低い結果となったが、ER陽性乳癌が多い影響と思われた。今後さらなる症例の蓄積を待ち、検討を要すると思われた。有害事象としてnab PTXを投与することにより末梢性感覚ニューロパチーの発生率が高くなるため、その対策を講ずることが重要であると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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