演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

癌性腹膜炎に関連発症したと考えられるDIC症例の臨床的検討

演題番号 : P59-8

[筆頭演者]
田中 哲二:1 

1:サンタマリア病 大阪茨木癌性腹膜炎治療セ

 

【目的】進行癌はDICの基礎疾患であり、DICの救命率は極めて低いことは周知の事実である。当院では、末期癌性腹膜炎患者にも積極的治療を行なうことがあるが、突然にDICを発症して短期間に死亡してしまう症例を複数経験した。そこで、今後の治療方針を計画するために、癌性腹膜炎患者に合併したDICの臨床経過と背景について、再評価した。【方法】過去18ヶ月間に当院で癌性腹膜炎の治療中に合併したDIC症例9例(年齢52歳〜79歳、平均64.3歳)の臨床経過と背景を評価した。DICの診断は急性期DIC診断基準で判定した。9症例の癌性腹膜炎の原発巣は、卵巣癌4例、胃癌1例、大腸癌1例、子宮頸癌1例、腹膜癌1例、原発不明1例であった。【結果】9症例のうち、3例は診断後3日以内に急死し、6例はDICから生還した。DIC発症時、明らかな感染症状は1例のみに認められていたが、全例で頻回に高熱を発症していた。敗血症と原因不明によるDIC症例2例以外は、DIC発症時点で余命1-3ヶ月以内程度と推定されていた末期癌患者であった。DICから生還した6例のうち、3例はDICからの回復後、約1ヶ月前後で死亡した。死亡3症例(胃癌、卵巣癌、原発不明癌)は血小板輸血量以上に血小板減少が急速に進行し、抗DIC治療薬開始前に死亡した。うち、2例は発症翌日には無尿状態に進行していた。死亡3例のDICの有力原因として推定されたのは、2例が腹腔内出血で、1例は原因不明であった。3例とも抗菌薬は点滴投与され、1例にはドパミンが投与された。救命された6例にはDICの診断時点でガベキサートメシル酸塩が全例に24時間持続点滴投与され、うち5例にはトロンボモデュリンも投与され、4例にドパミン、5例に抗菌剤が投与された。救命された6例について、DICの有力原因として推定されたのは、4例が腹腔内出血で、1例は敗血症、1例は腫瘍産生炎症誘発物質の疑いであった。【結論】原因が出血、感染、腫瘍産生炎症誘発物質のいずれにしろ、高熱を頻発する末期癌性腹膜炎患者の場合、あるいは大量腹腔内出血を伴う癌性腹膜炎患者の場合、DICの併発に常に注意を払う必要がある。もしDICが疑われる場合は、可及的速やかに抗DIC治療薬を開始する方が救命率が高まる可能性がある。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:支持療法

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