一般演題(示説)
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CBDCA過敏症が再発卵巣癌予後へ及ぼす影響 演題番号 : P59-7
1:愛知県がんセンター中央病院 婦人科
[目的]再発卵巣癌に対してカルボプラチン(CBDCA)が再投与されることが多いが、しばしば過敏反応(hypersensitivity reaction;HSR)が出現することが知られている。発症後はプラチナ製剤の中止が最も安全であるが、腫瘍への有効性が劣るという意見もある。そこでHSRが再発卵巣癌の予後に対して及ぼす影響について検討を行った。[方法]1998年1月から2011年12月の間に初回治療かつ再発時治療にCBDCAを含む化学療法を施行した再発上皮性卵巣癌104例を対象とし、HSRを発症した28例(HSR群)と発症しなかった76例(non-HSR群)に分け、臨床的特徴や予後について後方視的に検討した。なおHSR発症後プラチナ製剤を再投与した症例は除外した。[成績]HSRの発症率は26.9%、HSR発症までの期間の中央値は31.0ヶ月、年齢・進行期・組織型・CBDCA投与回数・総投与量においてHSR群とnon-HSR群の間に有意差は認めなかった。無増悪生存期間はHSR群で有意に延長をしており(24.3ヶ月 vs. 17.1ヶ月;p=0.022)、さらに全生存期間でもHSR群が22ヶ月延長していた(74.6ヶ月 vs. 52.5ヶ月;p=0.172)。[結論]再発卵巣癌においてHSR発症によりプラチナ製剤の使用を中止することは予後を悪化させていなかった。
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