演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

DocetaxelによるRecall現象が出現した卵巣癌の一例

演題番号 : P59-6

[筆頭演者]
鏡 誠治:1 
[共同演者]
卜部 理恵:1、栗田 智子:1、川越 俊典:1、松浦 祐介:1、蜂須賀 徹:1

1:産業医大 産婦人科

 

【緒言】Recall現象とは以前抗腫瘍薬の血管外漏出により炎症性反応を生じた部位に、後日別の部位から同じ抗腫瘍剤を再投与した際、以前の漏出部位に同反応を生じる現象のことをいう。paclitaxel(PTX)においては報告例が散見されるが、docetaxel (DTX)についてはほとんどない。今回我々はDTXによるRecall現象が出現した1例を経験したので報告する。
【症例】53歳女性。卵巣癌IV期の診断で術前化学療法としてPTX+CBDCA療法6kur施行後、卵巣癌根治術を施行した。術後化学療法としてPTX+CBDCA療法1kur施行後、肝機能障害が出現し長期持続したことと、本人の化学療法中止の強い希望もあったため、以後経過観察とした。
治療後1年8ヵ月後に骨盤内に再発し、Biweekly DTX+CBDCA療法(DTX:35mg/m2; day1,15,CBDCA:AUC5;day1,4週毎)を開始した。3kur day1のCBDCA投与中にアレルギー症状が出現したためCBDCA投与を中止した。3kur day15 DTX投与時に血管外漏出あり、右前腕の漏出部周囲にヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム局注を行い、アクリノール湿布、クロベタゾールプロピオン酸エステル外用薬の塗布と、プレドニゾロン(5mg)内服薬7日分を処方した。しかし外用薬を自己中止していた影響もあり、同部位に発赤、腫脹、痒みが出現したため皮膚科に紹介、外用薬を再開し軽快した。
局所症状改善後、前投与から23日後にDTX単剤療法(70mg/m2;4週毎)に変更し、前回の反対側の左前腕の静脈から投与したが、翌日に前回の漏出部位に再び同様の症状が出現し、徐々に増悪したため再度皮膚科を受診、前回同様のステロイド外用薬、内服薬で7日後に軽快した。以後DTX投与は実施しなかった。
【考察】DTXにおいてRadiation Recall現象に関する報告例はあるが、今回のようなRecall現象の報告例はほとんどない。またPTXでは添付文書に記載があるが、DTXには記載がなく、発生機序も明らかではない。しかし、発生頻度は稀かもしれないが、DTXにおいてもRecall現象が出現する可能性を念頭におくことが必要と思われた。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

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