演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

子宮頸部明細胞腺癌の1例

演題番号 : P58-3

[筆頭演者]
秋本 由美子:1 
[共同演者]
谷本 博利:1、本田 裕:1、寺本 三枝:1、寺本 秀樹:1、金子 真弓:2

1:広島市立安佐市民病院 産婦人科、2:広島市立安佐市民病院 臨床検査部・病理部

 

緒言:子宮頸部明細胞腺癌は子宮頸部腺癌の4-9%とまれな腫瘍で、放射線治療や化学療法へ抵抗性を示す予後不良な疾患である。今回我々は、臨床進行期IIA1期の診断で広汎子宮全摘出術を施行し、10ヵ月後に両側肺転移を認め、胸腔鏡下肺部分切除を行った後、寛解状態を継続している子宮頸部明細胞腺癌の症例を経験したので報告する。症例:53歳、2経妊 2経産、51歳閉経。2週間前からの不正性器出血を主訴に近医を受診し、子宮頸部腫瘍を指摘され当院紹介受診された。内診、腟鏡診で子宮頸部には前腟円蓋部に及ぶ易出血性の不整形腫瘍を認めた。子宮頸部細胞診では細胞質が比較的豊富で淡く細胞境界不明瞭、核は不整形で明瞭な核小体を有する異型細胞が小集塊または大型の乳頭状集塊として出現し腺癌(class V)と判定、組織診でも篩状、融合腺管構築を示し増殖する腫瘍を認め腺癌(明細胞腺癌疑い)と診断した。腫瘍マーカーはSCC、CA125、CA19-9、CEA、CYFRA、PROGRP、NSEについて検索したがNSE 14.6ng/mlと軽度上昇を認めた以外は、いずれも正常範囲内であった。MRI・CTでは子宮頸部間質に浸潤する約2cmの子宮頸部腫瘤を認めたがリンパ節転移および遠隔転移を疑う所見は認めなかった。子宮頸部腺癌IIA1期の診断にて広汎子宮全摘出術、両側付属器切除術、骨盤リンパ節郭清を施行した。摘出物病理組織検査では腫瘍細胞は好酸性あるいは淡明な胞体を有し、篩状腺管構築やhobnail状に腺管を形成して増殖する像を呈しており、子宮頸部明細胞腺癌 (pT2a1N0M0)と診断した。後療法は施行せず経過観察していたが術後10ヵ月時のCTにて、右肺下葉に1.2cm大、左肺底部に1.1cm大の腫瘤を認め、肺転移と診断した。肺以外の再発転移病巣を認めなかったため、胸腔鏡下肺部分切除を施行した。摘出物病理組織検査で子宮頸部明細胞腺癌の転移と診断した。現在肺手術後8ヵ月経過しているが再発兆候はない。考察:本症例では、初回治療後早期に転移性肺腫瘍を認めたが、完全摘出されたことにより、無病生存を得られている。子宮頸部明細胞腺癌は手術療法以外有効な治療法はなく、早期診断、治療が肝要である。また、早期再発を経験したことから、今後症例を積み重ね、さらに個別化した術後補助療法対象の選別の検討が望まれる。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:手術療法

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