演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

骨盤内再発した低悪性度子宮内膜間質肉腫に対して腹腔鏡下摘出術を施行した1例

演題番号 : P58-1

[筆頭演者]
岡本 啓:1 
[共同演者]
大下 孝史:1、勝部 貴子:1、赤木 武文:1、國安 弘基:2

1:市立三次中央病院 産婦人科、2:奈良県立医科大学 分子病理学

 

低悪性度子宮内膜間質肉腫の5年生存率は67-100%と報告されており、晩期再発や播種のあるような症例では適切な病巣コントロールが重要である。今回われわれは、骨盤内再発に対して腹腔鏡下摘出術を施行した1例を報告する。症例は49歳、約7年前に子宮筋腫に対して腟式子宮全摘術を施行し、低悪性度子宮内膜間質肉腫の診断となった。追加で付属器摘出することは希望されず、十分なICのもと経過観察としていた。1年3ヵ月後CTにて多発性肺転移、骨盤内再発が疑われ、胸腔鏡下転移巣摘出術(VATS)施行し再発を確認、以後残存病変に対して高用量MPA療法(600mg/日)を施行した。骨盤内再発巣は完全に消失するも、肺転移巣は一時的な縮小後再度増大傾向を認めたため、子宮摘出後5年10ヵ月の時点で再度VATSを施行し、CT画像上明らかな残存病変のない状態となった。6年10ヶ月経過した今回新たな肺転移巣の出現と骨盤内嚢胞性病変の再燃を認めた。MPA療法等の薬物療法よりは手術希望があること、また二度のVATSの影響で胸部痛も残っていたことから、まずは未実施であった付属器摘出を含む骨盤内再発巣摘出のみを施行する方針とした。手術は通常の4孔式腹腔鏡下手術により開始、嚢胞性腫瘤は腟断端付近より多発し、隆起性に発育、腫瘤表面は黄土色調、表面平滑であった。両側付属器は術後癒着により腟断端後方に陥入するように癒着しており、癒着剥離後両側付属器摘出を含む再発腫瘤を完全に摘出し、トロッカー汚染を起こさないようにEZパースを用い回収した。内臓肥満が強く視野の確保がやや困難であったが、術中トラブルなく終了した。腹腔洗浄細胞診は陰性で、両側付属器を含む再発腫瘤にはいずれも病理学的に低悪性度子宮内膜間質肉腫を認めた。術後3ヶ月経過した時点で肺転移巣には縮小傾向が認められており、追加治療なしで経過観察中である。低悪性度腫瘍は薬物療法に抵抗性のことが多く、再発病巣に対して手術療法は高い効果が期待できる。中でも鏡視下手術は低侵襲であり、積極的に取り入れてみる価値があるものと考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:内視鏡手術

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