演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ドセタキセルのAUCによる腫瘍サイズモデルの予測性の向上

演題番号 : P57-12

[筆頭演者]
先山 奈緒美:1 
[共同演者]
牧野 好倫:1、柳下 薫寛:2、神田 慎太郎:2、堀之内 秀仁:2、藤原 豊:2、軒原 浩:2、山本 昇:2、田村 友秀:2、岩瀬 治雄:1、林 憲一:1

1:国立がん研究セ中央病 薬剤部、2:国立がん研究セ中央病 呼吸器内科

 

【背景】非小細胞肺癌に対するドセタキセル(DTX)療法による生存期間は、PS、治療開始前の腫瘍径(RECISTによる評価病変の総和)、治療後8週目の腫瘍縮小割合によって予測できるとの報告がある。さらにその8週目の腫瘍縮小割合は、腫瘍サイズ(TS)モデル(治療前の腫瘍サイズ(BASE)とレジメン毎の腫瘍縮小割合と治療抵抗性に関する腫瘍増殖割合の関数)を用いることにより、BASEと治療後単位時間経過後の腫瘍サイズから推算される。
【目的】DTXの濃度-時間曲線下面積(AUC)が、TSモデルの予測性の向上に寄与するか検討する。
【方法】1997年から2001年に当院呼吸器内科において施行された2つのDTXの臨床薬物動態試験に登録された被験者を対象に、CT画像より腫瘍径を再度測定し、TSモデルへの当てはまりを確認した。さらにノンコンパートメント解析により各被験者のDTXの血中濃度データからAUCを再解析し、非線形混合効果モデル解析ソフトNONMEMを用いてTSモデルの腫瘍縮小割合の予測性が向上するかを検討した。
TS(t) = BASE * EXP(-SR *t) + PR*t(基本TSモデル)
TS(t) = BASE * EXP{-SR*[(AUC/AUCaverage)**AR]*t}+ PR*t(AUCモデル)
SR:腫瘍縮小割合係数、PR:腫瘍増殖割合係数、AR:AUC係数、t:単位時間
BASE、SR、PR、AR各係数は個体間変動、個人間変動を含む値
【結果】対象114例のうち非小細胞肺癌以外の症例、腫瘍径測定不能症例を除外し、97例を解析対象とした。97例中CT画像が得られなかった14例は単純X線フィルムにより腫瘍径を測定した。性別は男性64/女性33例、PSは0/1/2がそれぞれ6/83/8例であった。BASEは平均6.67cmであった。基本TSモデルは良好な予測性を示した(腫瘍径の予測式による推算値と実測値の相関;R2=0.99)。各被験者の血中濃度から得られたAUCを変動要因として腫瘍縮小割合に代入したAUCモデルは、基本TSモデルよりさらに最適化された(目的関数のχ2検定によりP=0.004、平均AR値0.013)。
【結論】DTX療法において、AUC係数を組み込むことによりTSモデルの予測性が向上することが明らかとなった。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:化学療法

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