演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術後再発肺腺癌および進行肺腺癌に対するgefitinib投与後の肝機能異常の検討

演題番号 : P57-11

[筆頭演者]
杉浦 八十生:1 
[共同演者]
根本 悦夫:1、河合 治:2、大久保 泰之:2、布施川 久恵:2、加勢田 靜:1

1:国立病院機構 神奈川病院 呼吸器外科、2:国立病院機構 神奈川病院 呼吸器内科

 

[はじめに] gefitinibを投与し肝機能異常を認めたため、治療が奏功しているにもかかわらず投与量を250mg/日から減量する症例をしばしば経験した。当院で2008年から2012年5月までにgefitinibを投与した24例を対象に肝機能異常と関連のある因子についてretrospectiveに検討した。[患者背景] 上記期間にgefinitibを投与された症例は24例、いずれも組織型は腺癌、肝炎ウィルスは1例のみHCV抗体陽性であった。その他、肝疾患の既往はなかった。女性16人、男性8人、55-89歳(中央値67歳)、術後再発症例10例、進行肺癌14例であった。24症例中9例で肝機能異常を認め、8例で250 mg/2日、1例で250 mg/3日に変更した。gefitinib 250mg/日投与後、35-386日(中央値:98.5日)後に肝機能異常が出現し、7-22日の休薬で正常に戻った。[結果] 肝機能異常の有無と各因子の相関について、それぞれ、Fisher's 検定をした。先行化学療法のみと有意な相関を認めた。gefitinib投与前に化学療法を行った症例は全体で10例あり、肝機能異常の有無と、gefitinib投与前の化学療法の有無に有意な相関を認めた。gefitinib 投与後、肝機能異常を認めず250mg/日を投与した群と、肝機能異常を認め減量投与した群との間で奏功率に差を認めなかった。 [考察] DDW-J 2004薬物性肝障害診断基準で評価した。肝機能異常を認めた9症例において平均スコアは6.5 (cutoff score:5)でありgefitinibによる肝機能異常と考えられた。術後化学療法を行った4例すべてでgefitinib投与後に肝機能異常を認めた。術後化学療法施行した症例にgefitinibを投与する際には、肝機能異常に十分気をつける必要がある。また、奏功率で有意差を認めなかったので、肝機能異常が出現しても隔日投与でgefitinibを継続することも1つの選択肢となり得ると考えられた。 [結論] 術後補助化学療法施行後の肺癌再発症例でgefitinibを用いる場合、肝機能異常を認める可能性が示唆され、注意深い観察が必要である。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:分子標的治療

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