演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

脳転移を有する非小細胞肺癌症例に対するベバシズマブの使用経験

演題番号 : P57-5

[筆頭演者]
大杉 純:1 
[共同演者]
渡部 譲:1、山浦 匠:1、武藤 哲史:1、岡部 直行:1、長谷川 剛生:1、鈴木 弘行:1、後藤 満一:1

1:福島県立医科大学 臓器再生外科

 

【背景】ベバシズマブ(BEV)は, 2009年11月に非小細胞肺癌・非扁平上皮癌に対する化学療法として承認されるも, 本邦においては脳転移例に対する投与は"原則禁忌"とされていた. その後, 脳転移例に対するベバシズマブ投与の安全性を示すデータが蓄積されたため, 2012年6月より"慎重投与"へ変更された. 【目的】2012年6月~2013年4月までに当科でベバシズマブを投与した脳転移 3症例・4病変の安全性と治療効果を評価すること. 【結果】 平均年齢は64.3歳 (60-69), 性別は全例男性, PSは全例0, 全例肺葉切除術後の再発であり, 組織型は全例腺癌 (全例EGFR-mutation 陰性)であった. また, 全例で抗凝固剤及び抗血小板剤の内服は認めていない. 転移部位は, 脳転移のみの症例が1例, 脳転移以外にも転移を認める症例が 2例 (肺 1例, 副腎 1例)であった. 脳転移数の平均は 1.3個 (1-2個), 大きさの平均は 10mm (4-17mm)であった. 脳転移出現時に1例で神経症状を認め, 2例は無症状であった. 前治療として全例にガンマナイフを施行した. 併用化学療法は, 1st line CDDP+PEM 2例, 4th line GEM 1例であった. 〈有害事象〉 全例で脳出血の発現は認めなかった. Grade3以上の有害事象は全例で認めなかったが, Grade2の高血圧の新規発現を全例で認めた. 〈治療効果〉全例で画像上周囲の浮腫やガンマナイフ施行後に生じた嚢胞形成された部位や腫瘍辺縁の造影効果を示す部位が著明に改善した. それにより, 脳転移病変は平均10.6mmの縮小を認めた. (PR/SD= 4病変/0病変), 一方脳転移以外の病変は平均3.0mmの縮小に留まった.(PR/SD= 0病変/2病変) . 脳転移における無増悪期間の平均は, 19.7ヶ月 (11-31ヶ月)であった.【結語】ガンマナイフ施行後の脳転移に対するベバシズマブの投与は, 重篤な有害事象は認められず, 安全に施行できた. また, 治療効果も良好であり, さらなる症例の蓄積が必要と思われるが, 有効な治療方法のひとつになる可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:化学療法

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