演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺癌シスプラチン投与時の短期輸液療法と大量輸液療法における腎保護作用の比較検討

演題番号 : P57-4

[筆頭演者]
大原 克仁:1,3 
[共同演者]
磯部 宏:1、伊藤 健一郎:2、福家 聡:2、小島 哲也:2、斎藤 拓志:2、西浦 洋一:2

1:KKR札幌医療センター 腫瘍内科、2:KKR札幌医療センター 呼吸器科、3:北海道大学大学院医学研究科 腫瘍内科学分野

 

【背景】シスプラチン(CDDP)は肺癌化学療法において広く使用されていが、以前よりCDDPによる腎障害予防のため大量輸液療が行われてきた。近年、マグネシウム、マンニトール投与により少量の輸液でも腎保護が可能であるとされ、短期輸液療法を行う施設が増えてきた。当院における肺癌CDDP投与時の少量輸液療法と従来の大量輸液療法の腎保護作用について検討する。
【対象と方法】2012年1月から2013年2月の間に当院にて肺癌と診断し、CDDPを含む併用化学療法を施行した29例を対象とし、後方視的に検討した。このうち、短期輸液療法群(short hydration:SH群)は12例、通常大量輸液群(normal hydration:NH群)16例であった。SH群は当日からマグネシウム、マンニトールを含む1900ml+併用薬分の輸液にて施行したのに対し、NH群は前日から含めて3600ml+併用薬分の輸液を施行した。両群ともに制吐剤として、パロノセトロン、アプレピタント、デキサメタゾンを使用した。CDDP投与1コース目おける2群間の血液検査データ(Cre、BUN、Na、Alb)について比較検討した。統計学的解析は、2群間の各項目についてχ2検定を行った。
【結果】患者背景は以下であった。SH群:NH群:年齢中央値;64歳(48-74歳)vs 64歳(51-72歳)、性別 男性/女性:10/2 vs 11/5、PS 0-1/2-;10/2 vs 13/3、組織型:Small/Adeno/SqCC/Others;6/4/1/1 vs 6/9/0/1、併用薬は、CPT-11/VP-16/PEM/Others;4/3/4/1 vs 3/4/8/1、1次治療/2次治療以降;7/5 vs 13/3。両群における1コース中の血液検査データでは、Grade2のCre上昇がNH群で1例のみであり、いずれの項目でも両群において統計学的有意差を認めなかった。
【結論】肺癌患者に対し、CDDP投与時に短期輸液療法を用いた場合でも、従来の大量輸液療法と比較し、腎障害を含めたCDDPに伴う有害事象の増加は認めなかった。今回は、CDDP投与1コース目のみの比較であったため、長期投与時の安全性は今後検討の必要があるが、外来治療可能な短期輸液療法は肺癌CDDP投与時のひとつの治療戦略となり得ると考えられた。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:化学療法

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