演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

HIV-1感染者に合併したEGFR遺伝子変異陽性肺癌の1例

演題番号 : P56-6

[筆頭演者]
山口 津加彩:1 
[共同演者]
大熊 裕介:1、細見 幸生:1、今村 顕史:2、比島 恒和:3、岡村 樹:1

1:がん・感染症センター 都立駒込病院 呼吸器内科、2:がん・感染症センター 都立駒込病院 感染症科、3:がん・感染症センター 都立駒込病院 病理科

 

【背景】近年,抗ウイルス療法の進歩とともにHIV感染者の予後は改善している。それに伴い,カポジ肉腫,非ホジキンリンパ腫,浸潤性子宮頸癌といったAIDS指標悪性腫瘍の割合は減少し,非AIDS指標悪性腫瘍,中でも肺癌の割合が増加している。【症例】68歳,男性【主訴】喘鳴【既往歴】2006年:急性B型肝炎,梅毒,帯状疱疹【現病歴】2006年6月,皮疹を契機として前医を受診し,HIV陽性と診断,同年7月より抗ウイルス療法を開始した。2010年10月に喘鳴が出現したため、胸部レントゲンを撮像したところ、右胸部異常陰影を指摘され,当院呼吸器内科へ紹介受診となった。胸部CTにて右S2,右S6に結節を認め,気管支鏡検査でそれぞれ異なったEGFR遺伝子変異を有する肺腺癌と診断された。臨床病期は,右上葉S2:cT1bN0M0 IA期, 右下葉S6:cT1bN2M0 IIIA期であった。同年12月よりカルボプラチン+パクリタキセル療法+同時胸部放射線治療を開始した。58Gy時点で放射線性肺臓炎となり,治療終了となったものの,部分奏効を得た。経過中はニューモシスチス肺炎の1次予防としてST合,および治療途中よりアジスロマイシンを投与しており,CD4数および血中HIVウイルス量は比較的安定していた(CDC Stage B2-B3)。2011年11月に脳,肝転移で再発したため,エルロチニブを開始した。治療は奏功したものの,治療開始後10か月でPDとなり,同年11月よりペメトレキセド療法を受けている。【考察】HIV感染症に合併した肺癌は予後不良とされているが,EGFR変異陽性である本例では,EFGRチロシンキナーゼ阻害薬などの化学療法で治療を行い,24ヶ月以上生存している。適切なHIV感染症コントロールのもとでは,HIV陽性進行期非小細胞肺癌は非HIV症例と同等の生存が得られることが期待される。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:化学療法

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