演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Bevacizumabを用いた術前補助化学療法で病理学的完全奏効が得られた肺腺癌の1例

演題番号 : P56-5

[筆頭演者]
古市 基彦:1 
[共同演者]
村松 高:1、四万村 三惠:1、石本 真一郎:1、高橋 佳奈:1、塩野 元美:1

1:日本大医 呼外

 

【はじめに】血管内皮増殖因子に対する抗体 bevacizumab(Bev)は肺腺癌の進行例において予後を改善することが示されている。 術後補助療法(Aj)においては血管新生を抑制することで微小転移を制御し術後成績の向上が期待されるが、術前導入化学療法(neoAj)では、ダウンステージングと腫瘍縮小による手術の容易さが期待される。今回我々は neoAj としてcarboplatin(CBDCA)、docetaxel(DOC)、Bev 併用療法を行いPRと診断し、根治切除手術を行ったところ病理学的にCRが得られた症例を経験したためここに報告する。【症例】62歳女性。検診発見の左上葉肺腫瘍でS3に20mmの胸膜陥凹を伴う結節と#5リンパ節の腫大を認めていた。気管支鏡検査で腺癌の診断、PETで腫瘍にSUVmax8.75、#5リンパ節にSUVmax8.15の集積を認め、cT1aN2M0 stage3Aの診断で手術適応であり、補助療法として neoAj を行う方針とした。既往歴:高血圧、喘息、ヨードアレルギー。喫煙歴:4-5本/日×20年(禁煙20年)【治療経過】CBDCA(AUC5)、DOC(60mg/m2)、Bev(15mg/kg)を 2コース(day1、day22)施行。1コース目のday5にGrade3の好中球数減少、またGrade2の口内炎を認めた。2コース目には治療を要する副作用は認めなかった。終了後、5週目に治療効果判定を行い、画像上PRと判断し、6週目に左上葉切除を行った。手術は6cmの小切開併用胸腔鏡下に行った。リンパ節と肺動脈の剥離は比較的容易で手術時間180分、出血量27ml。気管支断端の補強、被覆は自動縫合器で切断後、4-0PDSでの結節縫合とタココンブの貼付を行った。術前にみられた#5のリンパ節の腫脹は認めず、術後病期はsT1aN0M0 stage1Aと診断したが、術後病理所見で腫瘍の部位に癌細胞を認めず、Ef 3でCRと診断された。術後経過良好で出血などの合併症は認めず術後第7病日に退院した。術後は Aj は行わず、外来経過観察中である。【まとめ】neoAj としてCBDCA、DOC、Bev併用療法を行い、CRを得られた報告は調べた限りではなく、またBevを用いた neoAj は局所制御において優れていると期待しており、今後症例を集積しその有用性を検討する必要があると考えている。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:分子標的治療

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