演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ベバシズマブ投与中の肺癌患者に発症した腹膜播種病変による穿孔性腹膜炎の一例

演題番号 : P56-2

[筆頭演者]
森山 裕一:1 

1:宮崎善仁会病院 呼吸器外科

 

はじめに:ベバシズマブは、VEGFを標的としたヒト化マウスモノクローナル抗体であり、腫瘍組織での血管新生を抑制することで抗腫瘍効果を発揮する。肺癌においては、扁平上皮癌を除く非小細胞癌に、化学療法との併用で使用される。今回我々は、ベバシズマブ併用療法中の肺腺癌患者に、消化管穿孔が生じ、緊急開腹手術となり、術前に指摘できていなかった腹膜播種病変部の穿孔による腹膜炎であった症例を経験したので報告する。症例:患者は63歳の男性。200X年4月より左悪性胸水と胸膜播種を伴うStageIVの肺腺癌に対して、全身化学療法を開始。200X+3年8月より、5thラインとしてベバシズマブ+ビノレルビンの治療を施行開始、200X+4年2月7日に最終投与を行い、2月18日嘔吐、下痢の症状にて緊急入院となった。20日早朝、激しい腹痛を訴え、画像にて腹腔内フリーエアーを確認した。同日、緊急手術を施行。開腹すると、胃前庭部に穿孔部を認め、この部分を生検し閉鎖した。十二指腸および大網に結節を認めこれらも生検。3検体全てから、腺癌細胞が検出され、免疫染色の結果、肺癌の腹膜播種と診断された。考察:ベバシズマブ投与中の消化管穿孔の危険因子として、大腸癌患者では、胃潰瘍、憩室炎、腸管閉塞、手術の既往、癌性腹膜炎の存在などとともに、腫瘍の存在が知られている。また、肺癌患者は、大腸癌患者に比べ消化管穿孔の頻度が少ないとされる。術前に指摘出来なかった腹膜播種部の穿孔が原因であった肺癌症例は、検索し得た範囲内で認めなかった。結語:消化管穿孔の原因病変が、肺癌の腹膜播種と確認できた症例は稀と思われ、若干の文献的な考察を行い、報告する

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:分子標的治療

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