演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

癌性心膜炎により心タンポナーゼを来した進行膵癌の2症例

演題番号 : P54-12

[筆頭演者]
藤田 幹夫:1,3 
[共同演者]
松本 知訓:2、古武 剛:1、佐竹 悠良:1、岡田 明彦:3、辻 晃仁:1、猪熊 哲朗:3

1:神戸市立医療センター 中央市民病院 腫瘍内科、2:京都大学医学研究科 消化器内科、3:神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科

 

【症例1】60歳女性【主訴】心窩部~右季肋部痛、背部痛【現病歴】2009年10月頃から主訴を認め、12月に近医受診、腹部エコー、CTにて膵頭部腫瘤、多発リンパ節転移を指摘され2010年1月当院紹介となった。【治療経過】PET-CT等画像診断で膵頭部~鈎部の腫瘤を認め、主膵管・総胆管拡張、膵周囲、傍大動脈他多発リンパ節転移を認めた。腫瘍マーカーの上昇無く、ERCP、EUS-FNAで確定診断が得られず、開腹リンパ節生検を行い、中-低分化型腺癌の診断を得た。3月からGS療法(GEM:800mg/m2、TS1:60mg/m2)を開始し、3クール終了後4月下旬から食思不振、嘔吐を認め、5月救急受診、CTで膵頭部腫瘍浸潤に伴う十二指腸狭窄を認め入院となり、胃空腸バイパス術を施行後した。入院19病日から労作時呼吸困難が出現し、胸部Xp上CTR拡大を認め、うっ血性心不全を疑い、保存的治療を行ったが改善せず、23病日に心エコーにて心嚢水貯留を認め、心タンポナーゼと診断した。心嚢ドレナージ施行、血性心嚢液から細胞診でAdenocarcinoma、CEA:5094 ng/ml、CA19-9:448 U/mlと上昇を認め、癌性心膜炎と診断した。ドレナージ後は呼吸症状改善したが、癌性リンパ管症を発症し第45病日に永眠された。(T. Matsumoto. Pancreas. 2012; 41, 815-6.)【症例2】66歳女性 【主訴】嘔吐【現病歴】2012年2月24日突然嘔気を自覚し、10回程度水様性嘔吐を認めた。近医を受診し、内服治療を受けるも嘔吐は持続し、少量の水分摂取で腹部膨満感の増悪を認め、3月2日当院受診・入院となった。【入院後経過】胸腹部CTで十二指腸浸潤を伴う膵鈎部腫瘤を認め、胃内は残渣で著明に拡張し、心嚢液、両側胸水貯留、多発性肺転移、縦隔・肺門リンパ節転移を認めた。入院4病日に、血圧低下無く頻脈となり循環虚脱状態を疑い、心エコー施行した。全周性に心嚢水を多量に認め左室運動低下し心タンポナーゼと診断した。心嚢ドレナージを施行し、500ml排液し症状は改善した。細胞診でAdenocarcinoma、CEA7.7ng/ml, CA19-9: 6107U/mlと上昇を認め癌性心膜炎と診断した。持続排液が約700ml/dayあり、10病日にCDDP25mg、アドリアシン15mg心嚢内注入し心膜癒着術を行った。以後心嚢水の貯留は認めなかったが、30病日に癌性リンパ管症を発症し、翌日に永眠された。癌性心膜炎は、剖検症例の検討で7-12%と報告されており、主に肺癌、乳癌が多く、膵癌での報告は自検例の他になく、文献的考察を加え報告する。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:診断

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