演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

2回の緩和手術を施行し比較的良好なQOLが得られた浸潤性膵管癌術後腹膜播種再発の1例

演題番号 : P54-7

[筆頭演者]
坂東 正:1 
[共同演者]
三輪 武史:1,2、湯口 卓:1,2、塚田 一博:2

1:済生会富山病院 外科、2:富山大学大学院医学薬学研究部消化器・腫瘍・総合外科

 

【緒言】浸潤性膵管癌は悪性度が高く手術時進行癌がほとんどを占めるため術後成績は不良でQOLも悪いことが多い。我々は緩和ケアチームに参加し慎重に検討を行い、膵癌症例においても緩和治療の一つとして積極的に外科手術治療を行ってきた。今回、腹膜播種再発に対して主に緩和を目的とした2回の開腹手術を行い、比較的良好なQOLが得られた症例を経験したので報告する。【症例】64歳、女性。2010年1月、自動車運転免許更新時の視力検査で異常があり眼科受診、原因として糖尿病が疑われ近医にて精査施行され膵癌を指摘された。手術目的に当科紹介となり入院の上、2010年2月下旬、膵体尾部切除術D2R0を施行した。病理診断は、tub1、pT4、2.9cm TS2、ly1、v2、ne2、s+、rp+、pv-、a-、pl+、n1+、stage IVaであった。術後GemcitabineとS1併用の補助化学療法を2011年2月まで、その後S1単独療法を継続した。術後約2年後の2012年1月下旬、外来受診時に下腹部腫瘤を認めた。婦人科にて卵巣腫瘍の診断で切除術が施行され、病理診断はMucinous cystic tumorで良性境界領域腫瘍であったが膵癌との明らかな関連性は認めなかった。婦人科手術に参加した際、腹腔内に腹膜播種再発病変を認め、特にS状結腸の狭窄が著明で近々閉塞症状が出現すると考えられた。婦人科治療終了後一旦退院となり、2012年4月、外科入院の上、低位前方切除術を施行した。術後外来通院にてGemcitabine 単独療法を施行していたが、腹膜播種によるイレウス症状が出現し2013年1月入院、在宅を強く希望されそのため必要な経口摂取が可能な状態となることを目的として2回目の緩和手術を施行した。播種病変は多発していたが、イレウスの責任病変となっていた部位を中心として回盲部切除を施行した。その後退院在宅生活が可能となり通院中であったが、2013年3月中旬、ヘルペス治療のNSAIDs等の影響も有り十二指腸潰瘍出血を発症し内視鏡治療を試みたが抵抗性で次第に全身状態は悪化し永眠された。外科手術の介入にて、膵癌手術後3年、腹膜播種再発性イレウス発覚後1年以上ほぼ自宅で過ごすことが可能であった。【結語】予後不良の浸潤性膵管癌再発症例においても、症例毎の慎重な適応判断は必要であるものの、積極的な緩和手術がQOLを改善する可能性があり選択すべき治療の一つと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:緩和医療

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