演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除不能進行膵癌に対し、GEM単独療法にて長期生存が得られた1例

演題番号 : P54-4

[筆頭演者]
吹野 信忠:1 
[共同演者]
大井田 尚継:1、木田 和利:1、川崎 篤史:1、三松 謙司:1、久保井 洋一:1、加納 久雄:1

1:社会保険横浜中央病院 外科

 

【はじめに】膵癌は治療成績が不良であり、切除不能膵癌と診断されることが多く、その切除率は30%と低い.現在、膵癌の標準治療は塩酸ゲムシタビン(GEM)であるが、その奏功率は10-20%、進行膵癌の生存期間は約6ヶ月と低い.今回われわれは、切除不能膵癌に対し、GEM単独療法により長期生存症例を経験したため報告する.【症例】75歳男性、気管支喘息および糖尿病にて近医通院していた患者.食欲低下および体重減少(2ヶ月で8kg現症:BMI=20.3、体重減少率=13%)を主訴に当院を紹介受診.CT検査および腹部超音波検査にて、膵体部に30mmの腫瘍と末梢膵管の拡張を認め精査施行. ERCPにて同部位の膵管の途絶を認めるも、膵液細胞診により癌細胞の証明はなされなかった.腹部アンギオにて上腸間膜動脈と門脈の壁不整と上後膵十二指腸動脈末梢の血管不整像および途絶を認めた.腫瘍マーカーはCA19-9が632U/ml、DUPAN-2が170U/ml、Span-1が98U/mlと上昇を認めた.以上より膵体部癌(T4N0M0,StageIVa)かつ上腸間膜動脈への浸潤症例と診断、根治的切除不可能と判断し化学療法を選択した.【経過】GEMを1200mg/dody(第1、8、15日で投与、2週間休薬)で投与を開始したが、副作用の出現により1000mg/dodyへ減量し継続投与した.投与開始6ヵ月後にはCA19-9が130U/ml、DUPAN-2が57U/ml、Span-1が46U/mlまで減少し、その後も低下し基準値内を推移し続けた.治療開始24ヶ月後のCT画像にて腫瘍径25mmと縮小を認めるもSD、CA19-9は150U/mlと基準値最高値を示した.GEM投与開始46ヶ月まで継続したが、PS低下により中止し、以後緩和治療へ移行した.投与中止後よりCA19-9は上昇とCTにて腫瘍の増大傾向を認め、診断より52ヶ月後に永眠された.【考察】切除不能膵癌に対するGEM単独療法の生存期間は約6ヶ月と報告されている.Pubmedにより検索した限りでは、GEM+Cisplatinumでは13.8ヶ月、GEM単独では48ヶ月という長期生存の報告例を観るのみである.本症例は膵癌診断後、GEM単独療法により4年4ヶ月生存した症例であり、検索し得た報告例の中で生存期間が最も長い症例であった.【結語】われわれは切除不能膵癌に対してGEM単独療法を施行し、長期生存し得た症例を経験したため若干の文献的考察を踏まえて報告した.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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