演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

巨大単胞性嚢胞形態を示した膵IPMCの1例

演題番号 : P54-3

[筆頭演者]
鹿野 敏雄:1 
[共同演者]
森 敏宏:1、倉田 伸彦:1、寺本 仁:1、木下 敬史:2

1:市立四日市病院 外科、2:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科

 

【緒言】膵嚢胞性腫瘍は時として術前画像診断での鑑別に難渋することがある。今回われわれは、膵管内乳頭粘液性腫瘍もしくは粘液性嚢胞性腫瘍由来の嚢胞腺癌と術前診断し、摘出標本の病理学的検索により膵管内乳頭粘液腺癌との診断を得た、巨大単胞性嚢胞形態を示した膵IPMCの1切除例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】症例は68歳、女性。2011年1月、健康診断のCT検査で胆嚢腫大を指摘され当院に紹介となった。造影CT検査では膵頭部背側に腫瘍内部カリフラワー状に突出する充実成分を伴う10*11*16cm大の嚢胞性腫瘍を認めた。PET-CTでは嚢胞性腫瘍内の充実性分部に一致してSUV=5.7〜5.9とFDGの高度集積を示し、悪性病変が示唆された。MRCPでは主膵管の拡張はわずかで、明らかな嚢胞性腫瘍との交通を認めなかった。腫瘍マーカーはCEA 4.0、CA19-9 2.0と基準値の範囲内であった。また、上部消化管内視鏡検査では壁外からの圧迫所見のみであった。以上より、膵管内乳頭粘液性腫瘍もしくは粘液性嚢胞性腫瘍由来の嚢胞腺癌と診断、2011年3月、亜全胃温存膵頭十二指腸切除および2群リンパ節郭清を行った。嚢胞部分と肝臓、後腹膜、門脈など周囲組織とは癒着が強固であったが鋭的に剥離可能であり、嚢胞壁を損傷すること無く一塊にして摘出可能であった。嚢胞内には粘液が充満しており、有茎性腫瘍を認めた。病理検査では嚢胞性腫瘍内の充実性成分部に浸潤を伴わない乳頭状腺癌を認めた。また嚢胞壁に卵巣間質様の固有間質を確認できず非浸潤性膵管内乳頭粘液腺癌と診断した。術後はISGPF Grade Aの膵液瘻を併発したが保存的に軽快した。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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