演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

直腸癌異時性肝転移に対する術前化学療法施行後、根治切除し得た症例

演題番号 : P53-11

[筆頭演者]
山田 恭吾:1 
[共同演者]
石戸 圭之輔:2、小田切 理:1、小笠原 紘志:1、松浦 修:1、橋爪 正:1

1:むつ総合病院 外科、2:弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座

 

<はじめに>大腸癌の他臓器転移は肝が最も多く、切除の対象は約30%とされるが、化学療法が奏功し根治切除に持ち込むと予後の改善が期待できる。今回我々は、直腸癌術後に補助化学療法を施行し、その後4ヶ月で発症した肝転移に対して、セツキシマブ+イリノテカン併用療法後に肝切除を施行した症例を経験したので報告する。<症例>:40代、男性。直腸癌の診断で低位前方切除術施行(Ra, 2型, 75x45mm, sSE(pSS), pN0, fM0, R0, Kras Wild, UGT1A1 *6ヘテロ, fStageII)。若年であること、深達度が深いことから術後補助化学療法施行する方針とした。<経過>UFT-E+UZELを6コース施行した。投与期間終了し4ヶ月後、経過観察のCTとMRIで肝S5に15mm大の腫瘤を認めた。AFPが高値であり、確定診断のため肝生検を施行した。腺癌転移の診断を得た。外来可能かつ拘束時間の少ない治療法を希望したため、Cmab+CPT-11の方針とした。計4コース施行した後に、USとMRIを施行した。新鮮病巣の出現はなく、転移巣の縮小を認めたため根治切除可能と判断し肝切除術を施行した。開腹し検索したが、肉眼的にも触診上も転移巣を確認できなかった。USを施行したが検索困難であった。ソナゾイドを使用し再検索したところ、肝前区域に約10mm大の腫瘤を確認した。同部より15mmの距離を取りマーキングし、MTCで焼灼した後に肝部分切除を行った。切除標本に割面を入れ、腫瘤の存在を確認しFFSへ提出した。切除標本の病理学的奏功はGrade2であった。術後の画像検査では、根治切除と判断された。<結語>術後補助化学療法後早期に出現した肝転移であったが、切除標本でKrasを測定していたため、治療方針がすぐに決定されたこと、単発であったことが功を奏した症例だと考えられる。今後も肝転移に対しては積極的に化学療法と手術療法を行いたい。また腫瘍が縮小してしまった場合でも、ソナゾイドを用いたUS診断が有用であると考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:集学的治療

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