演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

「肝細胞癌肺転移巣にアイエーコールの気管支動注入療法が有効であった1例」のその後

演題番号 : P53-8

[筆頭演者]
古山 準一:1 
[共同演者]
森園 竜太郎:1、濱本 洋輔:1、松崎 伸幸:1、後藤 哲:1、森田 康太郎:1、西尾 仁:1、高木 秀雄:1、内沢 政英:1、水尾 仁志:1、河野 龍平:2、郡司 尚玲:2、松毛 真一:3

1:北海道勤医協中央病院 消化器内科、2:北海道勤医協中央病院 循環器内科、3:北海道勤医協中央病院 外科

 

 本例は、「肝細胞癌術後の多発性肺転移再発に対して微粉末化シスプラチン(動注用アイエーコール)による気管支動脈内抗癌剤注入療法が有効であった1例」(肝臓 2013;543:19-26)として既に報告した症例である。既報の経過は以下の通りである。 症例は、73歳、男性。1998年 肝細胞癌に対して拡大肝右葉切除術施行。2002年 両側肺に多発腫瘤影(奇静脈葉、右肺門部、左葉)を指摘され、肺生検にて肝細胞癌転移と診断。UFTの内服治療は無効。2004年7月より血痰を認め、2006年2月より血痰量が増加し、出血源と考えた右肺門部の多発性腫瘤を標的として、Epirubicinにて気管支動脈内抗癌剤注入療法(BAI)を2回施行。同部は縮小傾向を示すも血痰が持続し、微粉末化シスプラチン(IAC)によるBAIを施行したところ、血痰は消失し同部の腫瘤は消失した。その後、最大の奇静脈葉の腫瘤に対してIACによるBAIを施行したところ、同腫瘤は消失した。この既報の最終時点(2008年1月)において、肺転移巣は右葉(S1,S2)、左葉(S1+2,S6)の4結節であり、それまで左気管支動脈にもBAIしているにも関わらず、この時点で左S1+2が、その後左S6が徐々に増大傾向を認め、BAIは無効と考え、全身化学療法(FMP療法)を2008年3月(この時、右S2に1結節新病変出現)と6月に2 course施行するも無効。2009年3月、左気管支動脈・肋間動脈にBAI施行するも無効。2010年3月、肺動脈造影にて、左葉2結節のstainを認める。2010年4月、左上下葉部分切除術施行。その後、右葉3結節の増大を認め、2010年10月、肺動脈・気管支動脈・鎖骨下動脈などの造影にて、右S2の1結節のみ気管支動脈が栄養血管として関与していると診断し、同部にBAI施行。2010年11月 右肺腫瘍切除術施行し、残存腫瘍なしとなる。2013年1月時点で肝内も含めdisease-free状態を維持している。本例は、最初、IACによるBAIにて一部の結節が消失したが、その後、他の残存結節には無効であった。血管造影検査にて、気管支動脈が栄養血管であったのは一部のみであり、外科切除を2回施行し、その後、長期にdisease-free状態を維持できた稀な症例であったため報告する。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:集学的治療

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