演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝原発血管肉腫の術後再発に対してpazopanibを使用した一例

演題番号 : P53-7

[筆頭演者]
相馬 学:1 
[共同演者]
中嶋 駿介:1、前田 重明:1、澤田 康司:1、阿部 真実:1、大竹 孝明:1、藤谷 幹浩:1、鳥本 悦宏:1、高後 裕:1

1:旭川医科大 消化器・血液腫瘍制御内科

 

【目的】希少で予後不良な悪性軟部腫瘍には有効な化学療法レジメがない。今回我々は肝原発血管肉腫の術後再発に対して、新分子標的薬pazopanibを使用したので報告する。【症例】30歳代女性。2012年4月に微熱および倦怠感・上腹部違和感を自覚し近医を受診。CTにて肝S4/5/6領域に主座を置く巨大肝腫瘍を認め、当科紹介。慢性肝疾患の家族歴・既往歴および飲酒歴はない。初診時の血液検査ではWBC 25200/mm3, Hb 11.6 g/dL, 血小板30.9万/mm3, AST 22 IU/L, ALT 15 IU/L, ALP 870 IU/L,γ-GTP 165 IU/L, LDH 378 IU/L, CRP 4.37 mg/dLであった。HBs抗原陰性、HCV抗体陰性で、AFP, PIVKA-II, CEA, CA19-9の腫瘍マーカーはいずれも基準値内であった。CT・MRI検査では径110 mm、辺縁部が分葉状集簇を伴う巨大腫瘍で、ダイナミックスタディでは転移性肝癌のパターンであった。腫瘍針生検の結果は低分化型胆管細胞癌またはsarcomatous carcinomaであった。FDG-PET-CT、骨シンチグラム、血管造影下CT上、肝内・肝外転移を示唆する所見は認めなかった。白血球増多に関して骨髄穿刺液検査を行い、骨髄過形成は認めたが、各系に異型細胞は存在しなかった。血清G-CSF 368 pg/mLと上昇していた。肝切除後残肝容量が少なくなるため、PTPE施行後に2012年6月に右3区域切除+胆嚢切除+リンパ節郭清を施行した。術後病理検査では血管肉腫と診断された。術後G-CSF値は低下し、WBCも正常化した。術後1ヶ月のCTで左副腎と後腹膜に再発を認め、7月からテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム100mg/day内服(4週投与2週休薬)を開始したが、腫瘍の縮小効果は認めず、9月からWeekly PTX療法(パクリタキセル130mg/body,day1,8,15,22,29,36投与,1週休薬)を開始し、3クール施行した。一時的に腫瘍の縮小と腫瘍マーカー、WBCの低下を認めるも、休薬期間中の腫瘍の増大による痛みの増強を認めたため、2013年2月に当科入院のうえ、左前腕の骨転移に対しての放射線小照射を開始。2月25日からはpazopanib 800mg/dayの投与を開始。副作用として血圧上昇、嘔気、食欲低下を認めたが、支持療法で対処可能であった。投与前後のFDG-PET-CT検査の比較で両側副腎、腹壁皮下、左乳腺、肺、腹膜、左前腕の転移巣のFDG集積の低下を認め、奏功していると考えられた。【結語】肝原発血管肉腫術後再発の3rd.lineとしてpazopanibを使用し、短期的に抗腫瘍効果を認めた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:分子標的治療

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