演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

原発不明転移性肺腫瘍切除後に顕在化した肝内胆管癌の1切除例

演題番号 : P53-5

[筆頭演者]
谷川 寛自:1 
[共同演者]
横井 一:1、信岡 祐:1、竹内 泰司郎:1、草深 智樹:1、安達 勝利:2、樽川 智人:2、中林 洋:3

1:国立病院機構三重中央医療センター 外科、2:国立病院機構三重中央医療センター 呼吸器外科、3:国立病院機構三重中央医療センター 病理

 

【はじめに】乳癌術後経過中に両側肺腫瘍出現し肺切除を行ったところいずれも腺癌と診断された。原発性ではなく転移性と診断されたものの乳癌の転移ではなく原発不明で経過観察されていたところ肝外側区域に腫瘍性病変出現し切除により原発性肝内胆管癌と診断された一例を報告する。【症例】54歳女性。既往歴では47歳時右乳癌で右乳房切除、腋窩リンパ節廓清術施行。T1N0M0 Stage Iで、n0, ER(+), PgR(+), Her2(-)のため術後ホルモン剤内服治療を5年間施行された。以後も外来で経過観察されていたが、平成24年6月に施行したCT検査で両側肺野に結節が出現し、右肺腫瘤の針生検で腺癌と診断されたため、24年8月右肺S6区域切除術施行した。病理診断では粘液分泌腺癌で、免疫染色ではCK7(+), CK20(+), CA19-9(+), TTF-1(-), SP-S(-)であり原発性肺腺癌を示唆するものではなく、卵巣の粘液癌が示唆されたものの婦人科的には異常なく原発は不明と診断された。さらに左肺の結節も増大傾向となったため3ヶ月後に左肺結節に対してS1+2区域切除術施行。病理組織診断は右肺腫瘍と同様の組織像であった。術後経過観察のため施行したPET-CT検査で、以前のPET-CT検査では認めなかった肝外側区域への集積を認めた。転移性あるいは原発性の判別困難であったため手術目的に外科紹介された。25年4月肝外側区域切除、所属リンパ節摘出術、胆嚢摘出術を施行した。病理組織結果は乳頭状増殖を示す高分化型腺癌で、肺腫瘍の組織像と一致していた。免疫組織染色では、CK7(+), CK20(+), CA19-9(+), TTF-1(-)で肺腫瘍と染色パターンは全く同様であった。原発性肺癌の肝転移とは考えにくく、最終的には肝内胆管癌が原発で、両側肺腫瘍は肝内胆管癌の転移と診断した。術後経過は良好で術後14日目に軽快退院した。今後胆管癌に対する抗がん剤治療を予定しているが、現在腫瘍マーカーは正常化しており、画像的にも新たな腫瘍の出現は認めていない。【まとめ】乳癌術後に出現した両側肺腫瘍に対して積極的に手術治療を行ったが、いずれも原発性とは考えにくくまた乳癌転移でもなく原発不明がんの転移性腫瘍のまま経過観察していたところ肝内胆管癌が顕在化し切除施行し得た極めて稀な症例を経験したので報告した。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:病理

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