演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Gemcitabineによる化学療法後に肝障害を来した、HBVキャリアーの肝内胆管癌の1例

演題番号 : P53-1

[筆頭演者]
菅野 博隆:1 

1:米沢市立病院  第2診療部 外科

 

化学療法の進歩に伴い、抗癌剤による慢性肝疾患の薬剤性肝障害や、B型肝炎ウイルア(HBV)再活性化による肝炎の報告例が増加している。今回Gemcitabine(GEM)による薬剤性肝障害を来したHBVキャリアである肝内胆管癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。症例は63歳男性。HBVキャリアの肝内胆管癌の診断にて肝外側区域切除を施行した。病理組織検査にてpStageIVであったため、GEMによる術後補助化学療法を施行した。3クール目に肝障害を来たしたため中止したが全身倦怠感が強く入院。当初はGEMの有害事象と思われたが、肝障害が遷延、胸腹水貯留・肝性脳症を来たし、診断基準より薬剤性肝障害と診断しステロイド療法を含む集中治療を開始した。この時HBV-DNAの上昇もあり、HBV再活性化のガイドラインに沿って予防的核酸アナログ剤の投与も検討したが、薬剤性肝障害が主体と思われステロイド療法を継続した。その後はしばらく小康状態を保ったものの、再び精神症状、胸腹水・浮腫の増悪あり、再度治療施行も発熱、敗血症、DICを来たし、最終的には上部消化管出血による嘔吐、誤嚥を来たし心肺停止となり蘇生すも、再入院より90日で死亡した。本例のごとく、HBVキャリアを含む慢性肝障害患者に対しGEMなど抗癌剤を使用する際は、薬剤性肝障害やHBV再活性化などさまざまな病態を呈する可能性があり、抗癌剤の容量や投与頻度などを慎重に検討し、投与後は肝障害度やHBV-DNAの変化の把握など、厳密な管理が重要と思われた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:化学療法

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