演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌腹膜転移症例に対するBevacizumabの使用経験

演題番号 : P51-21

[筆頭演者]
川崎 篤史:1 
[共同演者]
三松 謙司:1、木田 和利:1、吹野 信忠:1、久保井 洋一:1、加納 久雄:1、大井田 尚継:1

1:社会保険横浜中央病院 外科

 

緒言:切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法は,FOLFOXやFOLFIRI等の化学療法にBevacizumab(以下Bev)などの分子標的薬を併用することにより高い治療効果が得られるようになった.しかしながら,治療効果についての報告の多くは,画像評価が比較的容易な肝・肺転移症例を対象に検討されており,腹膜転移症例における報告は少ない.目的:当院で経験した大腸癌腹膜転移症例に対するBev併用療法の安全性と有効性についてretrospectiveに検討する.対象:2008年1月から2012年12月までに大腸癌腹膜転移と診断され,Bev併用の化学療法を施行した5症例を対象とした.方法:患者背景,臨床病理学的因子,無増悪生存期間(PFS),生存期間中央値(MST),有害事象を調査し検討した.PFSの評価は腫瘍マーカーの推移と画像検査を用いて総合的に行なった.結果:症例は男性5例.化学療法開始時平均年齢67.2歳.原発巣は結腸2例,直腸3例.初発時腹膜転移2例(原発巣切除1例,非切除1例),再発時腹膜転移3例で,腹膜転移病変が切除可能であった症例はそれぞれ1例,0例.Bevと併用した化学療法は1st line;mFOLFOX6 2例,XELOX 3例.2nd line以降;FOLFIRI 2例,IRIS 3例,その他 4例.Bevの平均使用期間は23.8ヵ月.Grade3以上の有害事象は下痢1例,食欲不振2例,末梢神経障害1例.Bev特有の有害事象はGrade 2の高血圧を1例認めた.PFSは18.1ヵ月,MSTは28.9ヵ月であった.また同時期のStage IVの因子や再発因子が腹膜転移以外のBev併用症例におけるPFSは16.7ヵ月であった.結語:大腸癌腹膜転移症例に対する化学療法は,Bevを併用することにより肝・肺転移症例と同様に高い治療効果を得ることができた.今回の検討ではBev特有の重篤な有害事象は認めなかったが,大腸癌腹膜転移症例におけるBev併用は,消化管穿孔の危険性が高いという報告もあるため注意が必要と考えられる.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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